8
会議の日。
隣の部署の人が居た。
外山さんを手伝っていたらしい。
私は今日するプレゼンのことで頭がいっぱいいっぱい。
会話をしたような気がする。
冷たい人間だと思われてしまったかしら。
プレゼンはうまくいった。
このプランはどうしても通したい。
ただ外山さんのプランの方が優勢のような気がしてきた。
ああ、もう。
家についてわんころもに愚痴をこぼした。
わんころもは人間の言葉がわかっているみたいに聞いてくれる。
ジンマーマンが嫉妬して私からわんころもを取り返そうと私とわんころもの間に入ってくる。
「ごめんね。ジンマーマン。」
にゃあと一声鳴いて、わんころもにすりすりする。
「私のプランがね。だめになりそう。」
わんころもはジンマーマンにすりすりされながらも私の話を聞いている。
「なぐさめてくれる?」
じーと私を見てる。
私からぎゅっとわんころもをハグする。
「諦めたくないなあ。」
苦し紛れに外山さんのプランの欠点を突いたのは、逆効果だったかも。
却って外山さんのプランを強固なものにしてしまったような気がする。
「馬鹿ね。」
そういえば、コンビニの話は出なかった。
そういう話をする雰囲気じゃなかった。
まるで角を付き合っているような雰囲気になっちゃった。
もっと大人にならなくては。
感情的になってはだめ。
次の会議で結果が出るかなあ。
行きたいくないなあ。
わんころもがワンと鳴いて、そんな気弱でどうするんだ。と言われたような気がした。
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