6

帰りにコンビニに寄ったら外山さんに会った。

会釈はしたけど会話はなし。

外山さんはこの間会議で一緒になった隣の部署の先輩。

あこの大学の先輩だということだ。

この近くに住んでいるのかしら。

とても頭のよさそうな方。

ドキドキしちゃった。


私の家はここから1駅。

でも歩いても行ける距離。

今日は歩いて帰った。


来週また会議がある。

外山さんに会ったらコンビニの話をするだろうか。


家についたらわんころもが出迎えてくれた。

わんころもは、母が保護犬猫のボランティアをしている友人から

引き取った貰い手のなかったゴールデン。

名前は母がつけた。

ちょっと顔にけがのあとがあって不細工だけどかわいい愛犬。

まだ夕食まで時間があるので、散歩に連れて行った。

帰ってきた方向へ行くと外山さんに会うような気がして、

反対側へ行った。

いつもとは違うところに行くので、わんころもが怪訝そうな顔をする。


「今日はこっちなのよ」と優しく声をかける。

あっちこっちの匂いをかいでなかなか進まなかった。

こんな所まで来るわけないか。


「今度ね、あこちゃんがわんころもに会いたいって」

わんころもは匂い嗅ぎに夢中で聞いてくれない。

「気に入ってくれるかなあ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る