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あこが同期会があるから一緒に行こうと言ってきた。
ひとりだったら絶対に参加しない。
でもあこが一緒なら。
あこはそんな私の気持ちを思ってか私を男子から遠ざけてくれた。
あこはどんな子とも異性とも初対面でも気さくに話ができる。
そんなあこを見ながら部屋の隅にいた。
人を観察するのは好き。
隣の部署の人も来ていた。
同じ部署の人と居た。
一度ふたりが別の男子に促されてこっちに来たときはドキドキした。
あこはその隣の部署の人と話す。
私の隣の部署だ、などと私に言うから何かしゃべらなくてはならないかと焦った。
目が合う。
思わず笑顔。
それで済んだ。
また別の男子たちがやってくる。
今度もあこが応対して私は笑顔だけで済んだ。
苦し紛れだけど。
ほんとはあこみたいにさらっと対処出来たらいいのに。
でも私には無理。
だんだんみんな気持ちがほぐれてきてにぎやかになっていった。
なにか披露する人が出てきたりもした。
見ているのは楽しかった。
ビンゴ大会もあった。
あこも私も景品はもらえなかった。
女子とは少し話した。
ひとりは私と同じ東京育ちだとわかった。
でも波長が合わなくてとぎれとぎれの会話しか出来なかった。
もうひとりは、あこと同郷らしくあこと話した後、私にも話しかけてきた。
でもやっぱり長くは話さなかった。
いつのまにかあの二人は居なくなっていた。
帰ってしまったのだろうか。
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