3

それから何回か日曜日にあこの家に遊びに行った。

ふたりであこの引っ越し先を探した。

私の家の近く。

ようやくいい物件が見つかって引っ越しが決まった。

今日はお祝いね。

あこはそういってスパークリングワインを買ってきた。


普段はお酒を飲まない私たち。

その日はあこがいっぱい飲んで陽気にはしゃいだ。

その日はお泊りの道具を用意している。

だから夜中までおしゃべりをした。

朝起きたらあこが頭が痛い、会社休みたいと言い出した。

なんとか起こして準備をさせたけど、後で行くから先に行ってと言って出かけようとしない。

しょうがないなあ。

仕方がないひとりで出かけた。


途中電車の中で隣の部署の同期の男子と目が合い会釈されたような気がした。

次の駅で人が乗ってきてそれ以降は男子が見えなくなった。

話をしたことがないから、どういう人かはわからないが、優しそうな人だ。

駅について話しかけられるかと思ったがそうはならなかった。

昔から男子は苦手。

でも彼なら優しそうだから大丈夫そう。


ちょっと話しかけられるのを期待したのかも。

私が先に会社に着き、そのあとに彼が部署の前を通って行った。

私は今まで誰とも付き合ったことがない。

男子が近寄ってくると警戒してしまう。

仲のいい従妹にそれじゃ一生付き合えないわよと言われてる。

そうかもしれない。

あこのような子といる時間が一番好き。

でも恋愛対象が女子なわけではない。

もしかしたら男子でもないのかもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る