第8話:作戦会議
俺たち艦長は全員は空母マイケル・スラットリーの士官会議室に移動して作戦会議をした。
「これが敵機か…」
イワン艦長がスクリーンの映像を見て言った。スクリーンには回収した鳥型の敵機の解析データだ。
「この、中央にある球はなんだ?」
「これはこの機体のコア、いえ、心臓です」
「心臓?」
スクリーンをタップして別の画像を写した。
「これが取り出した球です、中を開けると血と肉が溢れ出ました」
「…悍ましいな」
「これが比喩でもなんでもなく、本当の心臓と結論付けました」
「じゃあなんだ?こいつらは生きてるのか?こいつらがエイリアンか?」
「そこまでは分かりませんが敵なのは変わりありません。それに最後確認した時には、サメに模した奴もいました。こいつらには別モデルが多く存在するでしょう」
イワン艦長は腕を組んで悩んだ。
「サメ型は潜水艦と考えていいのだな?」
「断定はできませんが恐らくは」
「とりあえず今は… 前進してくる母艦を足止めする作戦を立てよう」
スクリーンが地図に変わった。
「まず我々の空母は陣営の後ろに構える」
イワン艦長が空母を模したアイコンを二つ取り出し地図に配置した。更に駆逐艦を敵母艦と空母の間に複数置いた。
「空母は後方で鳥を駆逐艦から守る。駆逐艦は2グループに分かれる、マヤスカヤ班は機雷を撒きつつミサイルで鳥を対処する。もう一つは迫水班、彼らは先頭で敵母艦を対処する」
「それならうちの戦艦を迫水班に、あれなら高火力でこの任務に向いてます」
「そうか、例の試験運用中の戦艦はここに配属されてたのか… それなら好都合だ、戦艦の異動を許可する」
イワン艦長は見上げて会議室にいる17人の艦長に向かって言った。
「それでは、全艦長に健闘を祈る。解散」
艦長が続々と喋り出した、この前のハワイ交流会で顔見知りになった者も居たのだろう。再会に心躍らす気持ちもわかる、実際俺もそうだからだ。
「相変わらずカッコつけてんな、綾風よ」
振り向いて馴染みの顔を見て安心した。
「迫水!」
迫水とはハワイ交流会で知り合った。
「交流会ぶりだな、元気にしてたか?」
「あったりまいよ!それよりお前、前は第8艦隊に居なかったか?」
「ああ、あの後異動になってな。よくあるやつだ」
「まさかここで会えるとはな」
長く立ち話をしたい気分だったが、状況が状況だ。ヘリポートに着くまでの間しか話せなかったが、この戦いが終わればまた話せる。
「じゃあな、ご武運を!」
「ああ!ヘマすんじゃあねぇぞ迫水!」
飛び立つヘリを見送り自分もヘリに乗って空母ワケアに戻った。
「ヒイラギよぉ…」
「なんだい?」
「あいつらって生命体だったんだな」
「あいつら… ああ鳥ね。確かに全身を機械で覆ってたけど、心臓はあるって話だったね」
「あんな悍ましいものを作れてしまう宇宙人ってやっぱ敵なのかな?」
「今は分かんないけど、どっちにしろ戦わないとだよね」
コルトとヒイラギは格納庫の端で味方の壊れた攻撃機の修理を眺めてる。格納庫は常に忙しそうだった。支援型空母に積んであった予備のパーツを仕入れてから後回しにしていた故障機を直すのに忙しいのだ。
「君、コルトとヒイラギは知らないか?」
「誰だぁ?このコルト様に何の用だ?」
「ボクは君たちの新しい小隊長だ、ディーンだ、よろしく頼む」
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