第15話

コンビニにで、買い出しを済ませると家に戻る。

もう少ししたらピザが届く。

幸いピザの宅配が届く前に、家に戻る事もできて無事にピザも受け取った。


久美さんはまだ着替え終わっていないのか、寝室から出てきていなかった。

ただ、出かける時にはなかった書き置きがある。


【圭一へ  朝から着ていたラバースーツに着替えたら寝室に来て下さい】


俺はまた驚いた。

“俺の下の名前までなんで知ってるんだ“

だが、冷静に考えれば俺の家なのだから、郵便物か何かで下の名前を知ったのかも知れない。


久美さんの着替えは終わっているようなので、ご要望通りラバースーツに着替えてから寝室へ行く事にした。

なぜ、今さらラバースーツに着替えるのだろう?

1人だけ仮装してるのが、恥ずかしいから?

真意は分からないが久美さんの指示に従い着替えることに。

浴室でラバースーツを脱いだ時にサッと洗って裏返して置いてよかった。

まあ、それでも少し濡れていたが。


着替えを済ませると寝室へ向かい扉をノックする。

『コン、コン、コン』

返事がないので、もう一度ノックした。

『コン、コン、コン』

やはり、返事がない。

「失礼します」

自分の寝室なのに、変な気はするが女性が着替えていたので、一応。


部屋に入ったが、久美さんの姿はない。

ベッドの向こう側も、ベッドの上も久美さんはいない。

この部屋の中で人が隠れられそうなところはただ一つ、俺が久美さんに見られたくなくて夢香グッズを押し込んだ収納。

中を見られていたら、オタクがバレる。

特に等身大の夢香はヤバい。

でも、収納に久美さんがいなければ、家のどこかに隠れていて収納は開けていない事になる。


収納の中に久美さんがいない事を願いながら、ゆっくりと開いた。

目を見開いて中を見る。

いない、久美さんはいない。

良かった。

後は家の中でかくれんぼしている久美さんを見つけるだけだ。

収納をゆっくりと閉じ始めた時、途中で扉が閉まらなくなった。

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