第14話

結局、久美さんが俺の膝に座った駅辺りで、ようやく乗客が減ってきて俺と久美さんの合体が解けた。

ずっと、久美さんに刺さり続けた俺のペニスはまだ元気を失っていなかったので、スポーツバッグで隠す。

久美さんはスポーツバッグで隠しながら、クロッチファスナーを閉めていた。


もうすぐ俺の最寄り駅が近い、駅から家もそう遠くないので誘ってみる事にする。

「良かった俺の家で2人きりのハロウィンパーティーでも……… 」

「する!」

俺が伝えきる前に久美さんは返事をしてくれた。


という訳で最寄り駅で降りると、ハロウィンの仮装をした人を見かけない駅、街を歩いて俺の家へと向かった。


この仮装のまま、コンビニに入るのも恥ずかしいので、宅配で食事を届けてもらう事となった。

飲み物だけは後で、俺が久美さんの注文を聞いてから買いに行くことに。


そしてようやく、家に着いた。

リビングで何を注文して宅配してもらうかを考える。

ピザを注文して、飲み物、アルコールとお菓子を俺が買いに行く事で落ち着いた。

リビングを見回した久美さんがテレビ台に飾ってある二次元美少女キャラの華藤 夢香のフィギュアに気がついた。


フィギュアに近づきジッと見ている。

“まずい、オタクとバレるかも“

心の中で呟いた俺に久美さんが言う。

「夢香可愛いよね、ずっと好きなんだ」と。

夢香の事を知っているのには正直驚いたマニアックなアニメのキャラクターだから。

それよりなにより、久美さんの言葉の意味の方が難解だった。


「あ、そうだ、こんな事もあろうかと別の仮装も用意してきたんだよ」

久美さんはいつもより大きなスポーツバッグを見せてきた。

「隣の部屋で着替えてもいい?」


俺はいいよと言いかけてやめた。

「ちょっと待って、少し片付けてくる」

「あ、それと別の仮装って着替えるの時間かかるかなぁ?」

久美さんは少し考えてから答える。

「初めて着るから時間かかるかも」


俺はそれを聞いて、コンビニの買い出しに出かけようと考えた。

寝室で久美さんがどんな仮装か分からないが、着替えている事を想像しただけで、自分が暴走してしまいそうだったから。


まずは寝室を片付ける。

と言っても散らかっている訳ではない。

女性が見たら引くくらい、天井や壁に夢香のポスター、所狭しと置かれたフィギュア。

そして一番の問題が等身大の夢香のフィギュア。

これは物凄く高かっただけあり、大のお気に入りだ。

夢香の職業はシスターで、フィギュアにも衣装がしっかりと着せられている。

それら全てを収納に押し込んだ。


取り敢えず、落ち着いて全体を見渡して夢香に関するものがない事を確認してから、外出の為の着替えを持って寝室を出た。

久美さんと結ばれるかも知れない千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかない。


「お待たせ、どうぞ寝室汚いけど良かったら使って」

そう言って久美さんを案内する。

久美さんは寝室を見渡すと、「全然綺麗にしてるよ」と褒めてくれた。


「俺、今から着替えたら飲み物とお菓子買ってくるね」とだけ伝えて、久美さんは寝室で、俺は浴室でそれぞれ着替え始めた。


俺は浴室でガイコツのゼンタイを脱いでから、ラバースーツを脱ぐとやっぱり、大量の精液が出てきた。

久美さんと合体していた時、電車の揺れや振動で何度も絶頂に達していた。

そんな時は決まって、久美さんからの締め付けがキツくなっていた。


着替えを済ませると俺はそのまま玄関に直行し、買い物へと出かけた。

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