第11話
腕を組んだまま、ジムを出て駅へと続く商店街を2人並んで歩く。
田舎の商店街といえども多少人通りはある。
すれ違う男どもはなぜこんなオタクに、こんなモデルみたいな女が一緒なのかといった目でジロジロ見てくる。
俺は今まで感じた事のない優越感に浸りながらもある事に気づいた。
久美さんがかなり歩きにくそうな事に。
ヨガ教室の時は靴などの履き物はもちろん履いていないので、身長は同じくらいだが、今久美さんは15cm近くあるヒールのブーツを履いている。
そのため、俺との身長差がかなりあった。
俺は久美さんの腕組みを解くと、彼女と手を繋いだ。
久美さんは手を繋いだ方が嬉しそうにして、一緒に歩いた。
話題は今日の2人で風船の中で真空パックされた件。
久美さんは風船の中で俺があまりに話さないので、一緒にいる事が不快に感じたのではないかと心配していたらしい。
実際、俺は勃起を抑える事で精一杯だったので、会話もできなかった。
それも久美さんに嫌われたくなかったからなのだが。
久美さんに勃起して気持ちよくなっていた事を隠して伝えるにはどうしたらと考えていると、久美さんが俺の前から顔を覗き込んできた。
“ヤバい、可愛い過ぎる“
俺は今すぐにでも抱きついて押し倒したい衝動を抑えて言った。
「女性と2人であんな事になったの、初めてだったから緊張しちゃって」
そう言って頭を掻く。
「おチンチン大きくなってたからかなぁって思ってた」と笑って言う久美さん。
俺は図星を突かれて顔が真っ赤になった。
久美さんは少し上を見ながら言った。
「あんなシチュエーションは多分ないよ、誰も」
「確かに、そうだね」
2人で笑って、少し歩くと駅に到着した。
帰る方向が逆だったので、改札を入った所で連絡先を交換した。
久美さん側の電車が先に来た為、久美さんは笑顔で俺に手を振って帰っていった。
“なんて、充実したいい1日だったんだ“
そう思いながら、今日の事を思い返すと、また勃起してきた。
“帰ってもう一度、抜こう“
俺はホームに滑りこんできた電車に飛び乗った。
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