第9話

風船の中、俺と久美さん2人だけの時間は静かに過ぎる。

「久美さん、ごめん俺なんかと」

俺は久美さんに嫌われたくない一心で謝った。

「私は全然構わないわ、むしろ伽耶くんとこうしてられて嬉しいわ、そもそも先生のせいだし」

良かった、久美さんは怒ったいなかった。

むしろ声の感じから嬉しいのと恥ずかしいのが入り混ざったような声だった。

あれ、でも?俺の名前言ったよな、伽耶くんって。

ラバースーツの話の時、俺はうっかり名前言っちゃったかな?それとも聞き間違い?


そんな事を考えていると、今まで静かだった周りが少しずつ、騒がしくなってきた。

30分を経過した生徒さんから、1人ずつ先生が解放を始めたようだ。


出てきた生徒さんは先生に一言で感想を伝えている。

生徒さんはオリジナルの[おとなまき]について、

「すごく気持ちよかった」

「またやりたい」

「家でも出来ないかなぁ」

「リラックスできた」

「寝ちゃってた」

と様々な意見を先生に伝えていた。


おとなまきを終えた生徒さんたちが気になるのは、異質なおとなまきというか単に真空パックされた俺と久美さん。

見た目からして当然の事だとだと思う。

男女が巨大風船の中で真空パックされているのだから。


「触ってもいいですか?」

1人の生徒さんが先生に尋ねる。

興味を持つのはいいが触らないで気持ち良過ぎて、もう逝っちゃいそうなのに触られたら、とんでもない事になりそうだ。

俺も久美さんも慌てて動かせない首を必死に振った。


だが、先生は生徒さんの質問に「中の人の呼吸を妨げないようにね」とだけ言った。


「やったー」

「面白そう!」

さまざまな声と共に一斉に降り注いでくる手。

俺も久美さんも動かせない体をくすぐられる。

動けば動くほど、俺と久美さんの体は融合してしまうのではないかと思うほどに密着、そして、くすぐられて頭の中もどんどんおかしくなってくる。


“逝きそうだし壊れてしまいそう“


そう思っている俺の耳に『ブォーン』と大きなモーター音が聞こえてきた。

“よかった、やっと解放される“

そう思った俺の体はくすぐられて出来た久美さんとの僅かな空間を再び吸引されて、久美さんとの密着が増した。

一瞬だが解放されると安堵した心も体も再度の密着には耐えきれずに逝ってしまった。

ラバースーツ内にドクドクと波打ち流れ出す精液を俺は止める事ができなかった。

俺は理性が飛んだように密着した久美さん股の割れ目に何度も何度もペニスを擦り付けた。

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