第8話
先生は生徒さんに胎児のポーズをする様に声掛けしていたのに、俺と久美さんにはなかなか声をかけてくれない。
2人だから準備するのを待ってくれているだと思ったその時、風船の空気が抜け始めた。
急激に萎んでいく巨大風船。
バランスを崩しそうになり掴まるところのなかった俺と久美さんは互いに抱き合う形になり完全に空気は抜けてしまった。
「先生、先生!空気入れて下さい」
俺がそう言うと先生からは「ちょっと待っててね」と返事が返ってきた。
俺は久美さんと体を密着させているだけで気持ち良くなり、勃起してくる。
ダメだと思っても体はいう事をきいてくれない。
それはそうだろう、あの綺麗でスタイル抜群の久美さんと体を密着させているのだから。
何とかしようと体を動かすと、久美さんの大きな胸や太ももの柔らかさが体の各所から伝わり、ますます興奮して、今すぐにでも逝ってしまいそうだ。
しかし、そんな事をしたら変態と罵られ、嫌われてしまうかも知れない。
せっかく、いい感じになって来た久美さんとの関係を壊しかねない。
俺は必死に別の事を考えて紛らわそうとした。
頭に浮かんできたのは、高校生の時、仲の良かった女子生徒 桑原さん。
オタクだった俺と同じ趣味という事もあり、よく2人で一緒に過ごした。
今も大好きな二次元美少女キャラの華藤 夢香というキャラ推しは桑原さんの影響を強く受けている。
なぜ、今桑原さんの事を思い出したかというと、彼女は太っており、レンズの分厚い黒縁メガネをかけておかっぱ頭、俺が興奮する対象と大きくかけ離れていたから。
桑原さんの事を思い出していると、興奮が冷めて勃起が少し収まってきた。
先生の声がする。
「準備できたわよ!」
その声はなんとなくだが、いつもの先生の声とトーンが違う気がした。
どこかいたずらっ子のようなテンション高めの声。
俺と久美さんが密着している巨大風船の中に送風機のノズルが差し込まれる。
“なんとか、逝かずに耐えられた“
送風機の音が聞こえる。
そう思った俺を裏切る事態が発生。
送風機は風船の中のほとんど残っていない空気をさらに吸い出していき、俺と久美さんの密着をさらに強める。
軽く交わっていた足は、互いの股の所を刺激するように食い込みながら密着する。
あまりに強い吸引力で抗う事が出来ない。
その中で唯一抗ったのは俺のギンギンに勃起したペニスだけだった。
勃起したペニスは意思を持ったように、久美さんの割れ目にグイグイ食い込もうとするが、互いのラバースーツがそれをさせなかった。
裸だったら俺のペニスは間違いなく久美さんの中へと侵入していただろう。
少し残念な気持ちもあるが、それよりも今はなにが起こったかを考える。
風船の口に差し込まれたノズルはおそらく送風機のものではなく、掃除機のもの。
音も全然違っていた。
で、思った。
俺と久美さんはこれからどうなるの?
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