捜索(2)
捜索開始から一週間が経過した。ヘリコプターによる空からの捜索や、人海戦術もむなしく結果は出ていない。県境に検問所を設置したが怪しい車は発見されなかった。事件発生から発覚までに時間がかかりすぎた事が発見に至らない原因だろう。
事件発生から一週間が経ち、最初のうちはたくさんいた人員も少しずつ縮小していった。首都圏での誘拐事件ということもあり、テレビ局の取材カメラも来ていた。
母親は涙ぐみながら彼らの取材を受けた。いち早く娘が帰ってきてほしい、という言葉や、もっと娘に気をかけてあげればよかった、などの言葉を残した。シングルマザーで子供に目が行き届かないことで事件発覚が遅れたこともあり、社会問題に結びつける報道も少なくなかった。
事件発生から一ヶ月が経ち、警察による捜査が打ち切られた。母親は最初のうちは食い下がるも、最終的にはその事実を認めるしかなかった。
そもそも芙雪はこの世にいるのかも分からない。殺されてしまっているのかもしれない。そんなネガティブな思考が立ち込めてくる。しかし母親は生きていることに望みをかけて、今もなお捜索や情報提供を求め続けている。
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