エリートお兄さんの甘すぎる独占欲！ 五感を満たす溺愛ラブストーリー

広大な自然と自衛隊の駐屯地が共存する北海道・札幌を舞台に、過去のわだかまりを抱えたアラサー女子と、彼女を一途に想い続ける陸上自衛官との再会と恋、そして未来への成長を描いた本作。

主人公の日野咲耶（ひのさくや）は、幼い頃から周囲にからかわれ、内向的な性格になってしまった女性。東京の三ツ星フレンチレストランで修行するも、副料理長の座を目前に挫折してしまい、帰郷して父の居酒屋を手伝う日々。
そんな咲耶に目を付けた地元の悪ガキ先輩は、彼女を冷やかしに居酒屋へ入り浸ります。再び過去のトラウマと向き合うことになり、苦しむ咲耶の前に現れたのは、幼馴染の兄であり、陸上自衛官の一尉である時東慧（ときとうけい）。彼は、子供の頃の思い出を胸に、咲耶を一途に想い続けていて……？

本作の魅力は、なんといっても慧の溺愛っぷりです。咲耶との再会を機に想いを爆発させ、「俺の彼女に触るな！」と悪ガキ先輩から救い出すシーンは、ヒーローそのもの。幼い頃から知っている咲耶への理解と尊重、陸上自衛官としての逞しさや使命感を胸に抱いた彼は、まさに理想的な男性……と思いきや、幼馴染の妹だったはずの咲耶を“愛しい彼女”へと脳内変換し、「俺だけの咲ちゃん」「俺の推し」などと言い始める溺愛っぷり。慧のぶっ飛んだ妄想に、気が遠くなる咲耶なのでした。

懐かしい土地での、予期せぬ再会。時を経て動き出した恋の歯車は、二人を惹きつけ、デートを重ねるごとに距離を縮めていきます。しかし、突然道内を襲った大規模災害により状況は一変します。自衛官として出動しなければならない慧。そして咲耶は、災害という困難な状況の中で、料理人である自分自身にできることを模索し始めます。それぞれの役割と向き合う二人の姿が、やがて予想外の未来へと繋がっていき……。

過去のわだかまり、再会、溺愛、成長、そして未来への希望。様々な要素が織りなす珠玉のラブストーリーでありつつも、札幌黄をはじめとする地元の食材を使った料理や、雄大な景色の中で繰り広げられるドライブデートなど、五感を刺激する描写や臨場感が満載の作品です。ぜひ、北海道の美しい風景と、一途な愛に溢れた本作の世界に浸ってください。