第48話
「あ~今日はホントに疲れた」
2層の間引きがある程度済んだ後はダンジョンから引き上げ。探索者協会支部の仮眠室で万が一デスパレードが発生した時の為に待機している。
まぁ、1日中魔物を倒しまくったお陰でレベルがいくつか上がった気がするので頑張った分恩恵は得られている。
「はぁ〜仕方がないとはいえ。数日間電波の通じない場所に行くのは控えてくれか…」
ダンジョンで異常事態が起きている現状。
戦力になる俺が直ぐに連絡が取れない場所にいるのは避けたいんだろうなって理解はできる。
明日以降もここでずっと待機していろって言われないだけマシなのもわかってはいる。
けど。それだったら今日行ったダンジョンの3層以降の間引きをするほうが良かったな。
当然、貝王町ダンジョンの調査も1時中止だ。
明日、何しようかな。別れてから手に入れた魔石を2人に渡しに行くのは確定として……後は何をしよう。
夏休みの宿題を進めたり体を休めれば良いじゃんと言われそうだけど。
デスパレードの発生が間近に迫っているかも知れない現状、そんな事している場合じゃないだろう。
「そうだ。バッカルコーンを改造出きる生産系のスキルを持っている人に会いに行って見ようか」
バッカルコーン使い勝手悪いわけじゃ無いんだけど。もうちょっと魔力の消費効率を良くしたり、見た目を触手じゃ無くしたり出来ないか。
生産系のスキルを持つ人に相談したいって考えていた。
丁度。探索者協会支部にいるし職員に聞けば信用できる人を紹介してもらえるだろう。
明日の予定が決まったところで眠気が一層強くなって来たので職員さんに声をかけてから眠
りについた。
・
・
・
「うーん体中バキバキだ」
仮眠室だからね。ベットはあったけど、あんまりいいものでは無かったのもあって体中が痛い。
体を伸ばして体をほぐし、仮眠室から出る。
俺が叩き起こされる事が無かったという事はデスパレードは発生していないという事だろう。
一応、職員に確認したところデスパレードの発生は確認されていない。との返答と昨日寝る前に頼んでおいた生産系のスキルを持つ職人の紹介状を受け取る。
最後にシャワーだけ借りて支部を後にする。
「職人のお店の方が近いのか。荷物だけど仕方ないか……」
大量の魔石が邪魔で邪魔で仕方ないけど。
仕方ない。我慢して先に職人のお店にいこう。
バスと電車を乗り継いで、教えられたお店の前に到着する。
移動中に通り過ぎたお店もそうだったけど。
どこも人でいっぱいだ。
デスパレードを心配して色々買い溜めしている人が押し寄せているんだろう。
通常時はダンジョン内でしか使いえないアイテムでもデスパレード発生時ならダンジョン外でも使うことが出来る。
それもあって普段は探索者しか来ないような
お店が探索者には見えない人でごった返している。
あの中に入るのはちょっと……
今日は止めておこうと離れようと振り返った瞬間、肩に手を置かれる。
「そのバックパックの中、魔石入ってますよね!?」
「えーと。どちら様?それと、販売許可を持ってないので、売れません捕まりたくないですし」
しっかり仕舞ってあるから外から見えないはずなんだけど、なんでわかったんだこの人?
お店の名前が入っている作業服を着ているので、目の前のお店の人なのは間違いないと思うけど。
職人の感的なやつか?
「そんなこと言わないで下さいよ〜。なら近くに探索者協会支部有りますし、仲介してもらいましょう。相場より高く買い取りますので」
探索者協会支部で売却せずに持ち歩いてる時点で使い道が既に決まっていると察して欲しいところだが……
まぁ、生産系のスキルは何をするにも魔石を消費すると言うし。想定外の繁盛に魔石が枯渇してピンチなんだろうなってのは察せるし批難するのもあれか。
お店としては稼げる時に稼いでおきたいだろうし。
「分かりました。全部は売りませんが一部売却させていただきます。俺も用事があってお店に来てるんです」
そう言って探索者協会からの紹介状を見せる。
「師匠への紹介状ですね。店内は…ご覧の状況なので工房に直接ご案内しますね…それでですね…」
「分かってますよ。先に魔石の売却ですよね?」
俺が用のあるこの人の師匠も魔石が無くて困っているだろうし。先に魔石を売っといたほうが俺のお願いをスムーズに聞いてくれるだろう。
「いや~ホントに助かります。車だしますんで、少し待ってて下さい」
車出してくれるなら、俺が思ってたより短い時間で済みそうだ。
・
・
・
「それで、紹介状まで用意してどんなお仕事を依頼に来たんですか?」
車の運転をしながら質問をしてくる。
「ダンジョンで面白い素材がドロップしたので加工して便利な道具を作ってもらえないか聞きに来たんです」
バッカルコーンは勿論モササウルスの背鱗板も加工してもらいたいけど…どうかな~
その為に紹介できる人物で一番腕が良い人を紹介して貰ったけど…モササウルスの背鱗板はそんじょそこらの素材とは格が違い過ぎるからな
「へーそうなんですね。それにしても師匠への紹介状を用意してもらえるなんて若いのに凄いんですね~」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
読んでいただきありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます