第37話

「それにしても、18個も宝箱を回収したのにレアなものが何一つ手に入らないって中々だよね」


昨日までは魔法金属とか便利な地図とか手に入っていたのに、今回は何時ものポーション×7

アサリの魔石(10個セット)×6

手に入る経験値がUpする出汁×3

純金100グラム×3

と回収した数は一番なのに昨日までと比べて少し残念な結果に……


いや、純金が計300グラムって結構な金額になるし当たり枠ではあるんだけど。


欲を言えばダンジョンで使えるアイテムが良かったな。


まぁ、今回に関しては宝箱を俺が見つけたわけじゃ無いから手に入ったのがそういうアイテム

だったとしても、俺のものにはならなかったろうし。どうでもいいっちゃ良いんだけどね。


「いや、何言ってるんだよ!?金だけで約400万だぞ?」


「そうですよ。軍の方達も駿くんも2人だけで分配すれば良いって頭おかしいんですか?」


はぁ〜この二人は…まぁ、普通の高校生が一度で手にする金額じゃないし、パニクるのはわかるけどね。


「いや、一回ダンジョンの調査に同行するだけで、100万入るからね?2人ともを忘れたの?」


軍と探索者協会からの依頼だからね。しっかりと報酬が支払われる。

勿論2人にもね。


「そう言えばそうだった……」


「税金とか凄い事になりそうですね……」


確かに、税金についてはそうだよな。

俺に関しては2人よりやばいし……

税理士雇うか。自分でやるのと違ってお金がかかってしまうけど。その分らくできるし、ミスもせずに済だろうからね。



そんな話をしながら、コンビニで好きなものを好きなだけ買って3人で豪遊していたが、明日も早いので、解散して直ぐにベットに入り目をつぶり意識を手放した。


━━━━━━次の日━━━━━━



「それじゃ、俺が一人で先に行って安全か確認して来ます」


別の階層に進む場所がここ以外見つからなかったので、大丈夫だとは思うが前回みたいな特殊階層に飛ばされる可能性もゼロじゃないからな。

万が一特殊階層に飛ばされても自力で何とか出来る可能性が一番高い俺が一人で先に確認する。


黒い靄の中に入ると、さっきまでの何も無い砂地と真反対の岩礁帯が広がっていた。

あ、当然だけど海中です。


これはまた、間に魔物とかが隠れてそうで厄介だ。


取り敢えず。黒い靄は消えていないので一層に戻る事は出来そうだ。


先を確認する為に岩と岩の間を進んでいると、

突然、岩の一部が剥がれて攻撃していた。


取り敢えず氷の盾でガード。攻撃してきたのは岩では無く、岩に擬態したタコか……


氷の盾に張り付く吸盤がガッツリ見えるので多分間違いない。


氷の盾に張り付く触手を辿って、ここかなとあたりを付けた場所に向かって氷柱を飛ばす。


岩に張り付いたタコが漏斗から水を噴射して高速で移動し氷柱を避ける。


先程までは完全に岩に擬態していたが、岩から離れてもう擬態する意味がないからか。

全身を警戒色に変え俺のことを威嚇している。


相手は魔物だし、威嚇でデバフかけてきたりとかする?って思ったけど、なんの変化も感じないな。

本当に、ただの威嚇かぁちょっと残念。

まぁ良いや早く倒してみんなのところに戻ろう。


避けられたときより速度が出るように意識してれば氷柱を飛ばす。


速度が増した氷柱がタコを貫く。


タコは魔石と黒い液体(恐らく蛸墨)の入ったガラス瓶を残して消滅。


「魔物が魔石以外のものをドロップするの地味に初めてだな」


魔石以外の物をドロップする魔物はそこそこいるはずなんだけど。何故か遭遇しなかったんんだよな。


それにしても蛸墨って何に使うんだろ?


料理とか?いや、そうだとしたら、このダンジョンで手に入る物食材率高くない?


魚の切り身、出汁、蛸墨……貝王町ダンジョンは食材ダンジョンだった!?


この先も色々な海産物がゲットできる感じなのだろうか?

うーん。嬉しいような嬉しくないような……

なんか微妙な気分。


なんか海中でしか生成されないファンタジーな物を手に入れたりしたい。


「まぁ良いや。取り敢えず、そこまで危険はなさそうだし。皆のところに戻って全員で先に進もう」


階層が一つ変わっただけで難易度が極端に変わるというわけでもなさそうだし。

此処から先は全員で進もう。


フーラちゃんとジョー君がいれば擬態をしているタコもロレンチーニ器官で事前に見つけることも出来るだろう。


微弱な電流を発している魔物相手ならかなりの精度で感知出来るみたいなので索敵要員としても優秀なんだよな。


レベルを上げれば戦闘も出来るようになるだろうしマジで優秀。


一層に戻り。全員で2層に戻ってくる。


「タコの不意打ちは2匹のおかげで大丈夫だと思いますが、何が起きるか分からないので気を引き締めていきましょう」


出現する魔物の種類だって増えてるだろうし。

タコ以外の新しい魔物にも気をつけないと。

初見殺し的な能力を持っている可能性だってあるし。


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読んでいただきありがとうございます。





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