第34話
軍の人の報告も直ぐに終わり、お次は今日手に入れたものの鑑定だ。
俺が手に入れた手袋があるし。
軍の人たちも今日は7つの宝箱を回収してきてる。
正直、こっからが本番と言ってもいいだろう。
昨日のように時間をかけてダンジョンに移動して鑑定スキル持ちに入手したものを鑑定してもらう。
「白鹿さんの入手した手袋は〈霊布の手袋〉という名前で霊的な存在が通常は触れることが出来ないものを触れる事が出来るようになる。
そして、その逆も可能なようです」
逆ってことは生きてる人間が、この手袋を装備したら霊的な存在に触れることが出来るようになると……
俺からすると便利な道具であるのと同時にメタ装備でもあるわけだ。
「後は自動修復機能もついていますね」
壊れたら新しいものを用意するっていうのが難しい物だから自動修復機能がついているのはシンプルにありがたい。
「有り難うございました」
次は軍の人たちの番だな。
昨日俺が手に入れた魔鉄は無いけど。
魔鉄以上にレアそうな物もあるし楽しみだ。
「先ずは、このガラス瓶に入った薄く色がついた液体から」
あれポーションじゃないんだ。
まぁ、ダンジョンで手に入れたガラス瓶に入っている液体が全てポーションって決まってるわけじゃないもんな。
「こちら鰹出汁ですね」
この場にいた全員がポカーンとした顔になる。
いや。出汁っぽい色してるなとは思ったけど。
まさかほんとに出汁とは思わないじゃん……
「あっでも。普通の出汁じゃ無いですよ?この出汁を使った料理を食べると30分間魔物を倒したときに手に入る経験値が1割上昇します」
何故それを直ぐに言わない?
と言うか。絶対わざと重要な効果を教えるのを遅らせたよね?
覚醒者ならレベル上限が20と高くないから
あの出汁の価値は大したことないと思うかもしれないが。
到達者になるとレベル上限が40まで上がる。
当然、レベルが上がれば上がるほど、次のレベルUpに必要な経験値は上昇する。
特に20レベル以降は必要な経験値が跳ね上がる。
なので30分だけだが1割も取得経験値が増えるのはかなり有用だ。
……そう言えば、今の俺って何レベルなんだろう。
大まかになら調べる方法がいくつかあるが。
レベルを正確に確認するのは、ダンジョンの宝箱から入手された専用の道具が必要だ。
桜花には、その道具が一つしか無く。事前に申請する必要があるし。桜花の首都にある探索者協会桜花本部に行かなきゃならない。
面倒臭いけど。正確なレベルを把握しておくべきだよな〜
イレギュラーや、それより強い魔物を倒してるから、それなりの量の経験値が入ってレベルが俺の想像以上に上がっている可能性もあるし。
時間が空いたときに申請しておくか。
「次はポーション✕5ですね。これは昨日、白鹿さんが手に入れていたものと全く同じ。軽い傷を瞬時に治してくれます」
無くても全く問題無いけど。あると嬉しい枠のポーションね。
後、入手している数からも分かる通り、このダンジョンに出現する宝箱の中身の中ではハズレ枠だ。
他のダンジョンでは、どちらかというと当たりより何だけど……
環境が特殊な分宝箱の中身もちょっと良いものが入っているてことで良いのかな?
もしくは、最初だから客寄せのためにちょっと良いものを多めに入れてます的な?
もし、後者の理由でリポップする宝箱にしては中身が豪華だった場合。
俺も明日から宝箱漁りしたいな。例の出汁いくつか欲しいし。
でもな~今日みたいに先に進むからこそ更に豪華なアイテムが手に入る事だって有るわけで…
う~ん。難しい問題だ。
まぁ、今は調査の依頼を受けている身だし。
考えるまでも無く先に進む事になるんだけどね。
「そして、最後はこの羊皮紙ですね。これは凄いですよ。ダンジョン内で使用すると自動マッピング機能付きの地図になります」
最後の羊皮紙はゲームに出てくるような。歩いたところが全自動で記される魔法の地図だと言う。
しかも羊皮紙を使用している人の現在地も地図上に表示してくれる親切使用付き。
……借りてるコンパスの上位互換のようなアイテムだ。俺も欲しい。
そんなアイテムがリポップする宝箱で手に入るとかマジでこのダンジョン大盤振る舞い過ぎる。
すべての鑑定が終わったので、今日の仕事は終了。泊まっているホテルまで送ってもらう。
ご飯を食べてシャワーを浴びてベッドの上でのんびりしていると、スマホにメッセージが届く。
スマホを開き確認すると恵太と晋平が空中を泳ぐサメ2匹と仲良く写っている写真が送られて来ていた。
ダンジョン内で撮った写真を外に出てきてから送って来たんだろうけど……
なにこれ?と返信すると『俺と恵太がそれぞれスキルを使ってテイムした魔物』と返信が帰ってきた。
テイムスキルなんて初めて聞いたんだけど!?とか。
俺と恵太がそれぞれスキルを使ってってことは2人ともをテイムスキル持ってるの!?等
突っ込みどころが沢山有るけど取り敢えずおいといて。
メッセージでいちいち文章を打つのが面倒くさくなったので電話をかける。
「で、ただ自慢したくて写真送ってきたわけじゃ無いでしょ?何が目的?」
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