第25話

「よし。これで礼服問題は解決っと」


純ミスリルのあれこれが終わり礼服をレンタルしているお店に行って話を聞いてみたら。


あっこれ絶対レンタルしたほうが良い。

と思ったのでサイズとか測ってもらって小物を含め全てレンタルするプランをお願いした。


「そうだった、すみません2ヶ月後にまた同じものをレンタルしたいんですけど。今のうちに予約ってできますか?」


「当然可能です。しかし、先にどういった場に着ていかれるのか、お聞きしても宜しいでしょうか?」


「2ヶ月後には国から勲章を授与される事になってまして、その時にまた礼服が必要なので」


純ミスリルの事も終わったし、帰ろーと思ったら職員に少し待ってと言われ軍とは別に国から勲章を授与の打診が来ています。という話だった。

断ったら軍からの受勲は受けたのに国からの受勲は断るのか?と言われそうなので、職員には謹んでお受けいたしますと返事をするようお願いした。


軍からの受勲は受けると返事をしたわけじゃないんだけどね。

まぁ、そういう前例があるから。事前に打診してくれるだけで政府に対する好感度は少しUpした。


「成る程。因みに受勲される勲章のお名前をお聞きしても?」


「確か。赤銀勲章だった気がします」


「でしたら、レンタルする礼服は別のものに変えることをお勧めさせて頂きます」


説明してもらった事を要約すると、貰う勲章のレア度で着ていく礼服の種類が変わるらしい。


軍からの貰う勲章は最上級のものだが。

国から貰う勲章は中程度のもの、なので同じ礼服で出席するとマナー違反になってしまうという話だった。


成る程な~こういうアドバイスをしてもらえるし、レンタルを選んで、やっぱり正解だったな。


お店の人のアドバイスを受け入れ、マナー違反にならない別の種類の礼服のレンタルを予約する。


これで当日の朝にお店に来て着替えればオッケーな状況になったので礼服問題は解決だな。


全ての問題が解決したわけじゃ無いが一つ片付いた事で少し気が楽になった。



「思ったより早く今日の用事終わったし、ダンジョンにでも……いや、今日は夏休みの宿題を進めよう」


ダンジョンに行くのも、この先重要なことだけど。学生としてやらなくちゃいけにない事もしっかりやらないとな。


こういったものは、面倒くさいからって後回しにすると、最終日まで終わらなくて泣きを見ることになるからな。


と思って家に帰ろうと駅に向かってあるき始めた瞬間、スマホの着信音がなる。


「知らない電話番号だけど……」


取り敢えず出てみる。


「はい。白鹿です」


「突然のお電話失礼いたします。探索者協会所属、氷室と申します」


探索者協会から?ライセンスを取得する時に電話番号を記入したらから電話番号を知っているのは不思議じゃ無いけど。

本当に電話が掛かってくることがあるとは思って無かった。


「探索者協会が態々俺なんかに電話を掛けて来るなんてどうしたんですか?」


若干嫌味っぽい言い方になってしまったか?

そんなつもり無かったんだけど。

探索者協会が何も無いのにただ電話かけてくる事なんて有り得ないし。絶対面倒事だよな……と思ったらつい自然に口から出てしまった。



「申し訳ございません。白鹿様にしか頼めない緊急の要件が発生しまして……どうにかお願いできないかと、お電話させていただいた次第です」


「俺にしか頼めない緊急の要件?」


俺が使えるスキルや能力が必須になる要件ってわけか。


「はい。今から、約1時間前、貝王町にあるダイビングスポットでダイバーがダンジョンの入口を発見しました。その知らせを受けて当然桜花軍と探索者協会合同でダンジョンの調査に乗り出しました…が。ダンジョン内も海中になっておりまして」


海中に入口がある時点で初めて聞くのにダンジョン内も海中か。

スキューバ装備必須の環境な時点で行動が制限されるのに、海中に適応した魔物と戦闘するとか危険すぎる。


「なるほどね。霊体化のある俺なら海中でも関係ない。確かに俺にしか頼めない緊急の要件ですね」


霊体化中は呼吸しないし飛べるから水中だろうと関係ない。

更に言うなら実体が無いので、水中だろうと空中だろうと飛ぶ感じも変わらない。



「わかりました。調査の件、お受けいたします」


最低限デスパレードの事を見据えて、ダンジョンに出現する魔物の確認はしておく必要はあるからな。


情報というのは重要だ。中には初見殺しのような能力を持つ魔物もいる。

そんな魔物とデスパレード中に情報を知らずに初戦闘、結果軍が大打撃を受けるとか洒落にならない。


軍が被害を受けるとそれだけ一般人の被害も拡大してしまう。

なので、そうならないように事前に出来ることはしておかないと。


「当然、ダンジョン内で俺が手に入れたものの所有権は俺に有りますよね?調査の為だから全て回収するとか無いですよね?」



ぶっちゃけ、調査にノリノリな理由理由の八割はリポップしないレア宝箱が見つかるかも知れないからだからな。


勿論。魔物の情報収集は大事ってのも本心だよ?



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読んでいただきありがとうございます。




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