第24話

それに関しては取り敢えず今は良いや。

大した後ろ盾も無い俺が相手して良いことなんて何一つ無いだろうし。

下手なことすると俺のほうが一方的に悪者にされたりする可能性だってあるからな。


今回は軍のまともな人がなんとかしてくれる事を願って放置安定だろう。


その後、三國さんから色々説明を受けて電話を切る。


「約1週間後か…礼服の用意間に合うかな?」


完全オーダーメイドとかじゃなければ間に合うかな?

買うより。レンタルのほうが良かったりするかな?


そこら辺も一度しっかり調べる必要がありそうだ。


桜花軍に関しても最低限、一般人でも調べれば直ぐにわかる事ぐらい知っておくべきだろうし……なんかやることがいっぱいで面倒くさくなってきた。


かと言って今更やっぱ辞退しますとか言えないし。


「お腹すいた。一旦全て忘れてご飯食べよう」


母さんと妹が準備してくれているからな。

用も終わった訳だし、何時までも待たせる訳にはいかない。


一旦現実逃避をしてご飯を食べる事にした。


「三國さんって大佐だったのか……」


ご飯を食べた後、自室に戻り桜花軍の階級章について調べてみたら。

三國さんが大佐だった事が判明した。


大佐といえば大隊や連隊を指揮する上級士官。

想像していたより大物だな。

だって指揮官自ら狙撃するとか思わんじゃん。



まぁ良いや。まともそうな上級士官との伝手を手に入れたってのは悪い事じゃないし。


「おっと。式の時に相手の階級を間違えないように調べたんだから大佐以外の階級章もしっかり覚えておかないと」


式の当日は当然軍人の参加がメインだろうし。

話しかけられた時にとっさに相手の階級がわからないとマズイことになるかも知れない。

一般人に対してそこまで求める事は無いかも知れないけど。念の為ね……


「ふぁ~。今日はこのぐらいにしておこう」


そうして色々と調べているうちに眠くなってきたので、無理して調べ物を続けるのではなくさっさと寝る事にした。



「今日は紫陽花町支部に顔を出して余裕があったら礼服をレンタルしているお店で詳しい話を聞きに行くと…」


本当は勲章授与式の事を優先的に進めた方が良いんだろうけど。俺の分の純ミスリルがどうなっているのか確認しに行く必要があるからな。


でも、こちらの事情で放置して出てっちゃったから、正直俺が所有権を破棄したって事になっててもおかしくないんだよな。


まぁ、そうなってたら仕方ないから諦めよう。

元々俺自身が使うつもりは無く鬼童さんに売るって事になってたから。

鬼童さんには謝らないと。


「その件でしたら。白鹿様がこちらの書類にサインをしてくだされば、純ミスリルはこちらの値段で鬼童様に売却される事になっています」


ここでも鬼童さんが先に色々手続きをしてくれていたらしい。


それにしても……


「純ミスリルの値段が相場の1,5倍ぐらいになっているし。探索者協会への仲介手数料も鬼童さん持ちになってるじゃないですか……」



ダンジョンで手に入ったものの売り買いは国の認可を受けた組織、会社じゃないと出来ない。

なので、今回みたいに探索者同士で売り買いするときは探索者協会に仲介手数料を払い間に入ってもらう事で法律に違反しないようにする。


仲介手数料はある一定の金額までは一律だが

一定以上になると変動する。

今回の純ミスリルは当然後者、しかもかなり高額なので、その分仲介手数料も高くなる。


買い取り額の時点でこちら有利なのに仲介手数料まで鬼童さん持ちとかこちらに有利過ぎる。


「買い取り額は合計で1億、仲介手数料はこちら持ち、これでお願いします」


ぶっちゃけ。1億でも俺からしたら理由分からない大金だ。


まぁ、こっから探索者協会の仲介手数料で一千万。所得税でいくら持っていかれるか詳しく知らないけど。かなりの額持っていかれるだろうから使わないで貯金しておくつもりだ。

後になって税金が払えません!!なんてなったら大変だからな。


「かしこまりました。しかし、私達から鬼童様にお伝えしても確実に首を立てに振ってくださらないと思うので、お手数ですが白鹿様が直接お伝えお願い出来ますでしょうか?」


「あ~〜」


俺もそうだと思うので了承して鬼童さんに電話をかける。


あーだこーだ話し合う事1時間。

ようやく俺が提示した条件で納得してくれた。


相場より安くしたのは、フレグナード公国に行ったときの往復のプライベートジェットの金額を始めとした諸々の分を引いたからだ。


それでも、俺の方が得してるんだけどね。


「というわけで、この条件で決定しましたので、書類の作成お願いできますか?」


「かしこまりました。作成してきますので、少々お待ち下さい。新しいコーヒーもお持ちいたします」


「あ、良いですよ別に。冷めてても気にしないので」


電話が長すぎて持ってきてくれたコーヒーがすっかり冷めてしまっているが、別にホットじゃなきゃ許せないって人じゃないし。

寧ろ、廃棄して新しいのを持ってくるって方が勿体無くない?


いやまぁ、そういう話じゃないってのも分かるんだけどね。



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読んでいただき有り難うございます。

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