第22話

「うーん。やっぱり今日は何処かに泊まるしか無いか」


新幹線以外で帰る方法を調べて見たら

バス、電車、飛行機、電車と乗り継げば家に帰れるのがわかったけど。一番最初のバスが今日はもう終わってしまっていたので、妖華町で一泊しなくちゃいけないことも判明した。


と言っても今の時間からチェックイン出来るホテルとかあるか?


スマホで少し探してみる。


「ネカフェで良いか」


鍵付きの個室を借りれるネカフェが近くに見つかったので、そこを利用する事にした。


ネカフェに向かう途中、食事と明日着る服等の買い物を済ませる。


フグレナード公国に行く前に数着服を買ったけど。空港に置いてきちゃったからな。また買わないといけなくなってしまった。



「思ってたより快適だったな」


最近は俺みたいに宿泊目的で使う人が増えたからか。想像以上に快適に泊まる事が出来た。

利用する為に会員登録したし、遠出する事があったら使わせて貰おうかな。


そんな事を考えながら徒歩で目的のバスが停車するバス停に向かう。


特に何事もなくバス停に到着。

バスを待っていると少し遅れてバスが到着した。


バスに揺られて数十分。目的のバス停に到着したのでバスを降りる。


バス停から駅まで歩き飛行機に乗るために空港行きの特急電車に乗る。


特急なので直ぐに空港に到着する。

スマホでチケットの取り方を調べながら

フグレナード公国に行く時に利用した桜花国際空港行きの便の席を取ることが出来た。


俺の戦闘スタイルが武器とか使わないスタイルで良かった。


武器とか持ってたら当日の席なんて絶対取れないからね。


それこそ鬼童さんがしたようにプライベートジェットを利用しないといけなくなる。


流石に、そんなお金は持っていない。


「さてと。飛行機の時間までなにして時間を潰そうか」


今日の便の席が取れたと言っても夕方の便なので結構時間が空いている。


「空港の施設で時間を潰すか?」


色々あるみたいだし。これが一番安パイではあると思うけど…なんか違うんだよな〜

ちょっと体を動かしたい気分何だよな。


「へぇ~ここから電車一本で行けるダンジョンあるじゃん」


スマホでなにかないかと探していると、この空港に来たのとは別の電車でダンジョンに行けるのを発見する。


飛行機の時間に帰ってこれる事も確認した。


ちょっと特殊な環境みたいだから、それも少し楽しみだな。




「良し。ダンジョンに入るのに必要無いものもしっかり預けたし。早速いこうか、加尾ダンジョン!」


持ち物のほぼ全てを探索者協会支部に預けてダンジョンの中に入る。


「あっつ!!」


直ぐに自分の周りに弱めの冷気を発生させる。

攻撃に使えるレベルの冷気じゃなきゃ割りと自由に扱える。


外でもずっとこうしてたいけど。ダンジョン外でのこういった能力の行使は捕まっちゃうので我慢だ。


周囲が丁度いい気温になったところで辺りを見回す。


勢いよく燃え盛る草に木。それどころか道になっている地面以外が全てメラメラと燃えている。暑いと感じるのは当然だな。


すっげぇ酷い山火事の中にいるようなものなのに。寧ろ、暑いと感じるだけで済むのはおかしいのか?


普通に呼吸出来てるのも不自然か……


まぁ、そこら辺はダンジョンの不思議パワーってやつだな。


「さてと。先に進みますか」


帰りの電車に間に合うようにダンジョン探索を切り上げなきゃいけないからな。


入口でのんびりしていたら時間が無くなってしまう。


燃えていない道を道なりに進んで行く。

飛んで行ければ良いんだけど。今纏っているレベルの冷気でも霊体化すると使えないみたいだから歩くしか無いんだよね。


今なら霊体化しなくても飛ぶことは出来るが、スキルの補助がない状態で飛ぶことになるのもあってマトモに飛べない。

使うにはもっと練習してからだ。


それはそうと。霊体化中でも氷を作る事は出来たんだけどな〜

冷気はだめなのはなんでだろう?


頞浮陀地獄レベルの冷気を使えないのは納得出来るけど。今纏っている程度の冷気なら問題ないと思ってたんだけどな。

まぁ、駄目なものは仕方ない。

何でもかんでも都合好く行く訳ないしな。


「おっ!!早速お出ましだな」


歩いていると燃え盛る草を掻き分けて全身に火を纏った犬が飛びかかってきた。


滞空している為、回避行動が取れない犬に向かって氷柱を飛ばして攻撃する。


犬は何とか体を捻って躱そうとするが、氷柱は犬の胴体を貫いて大きな穴を開けた。


大ダメージを負った犬はそのまま魔石のみ残し消滅した。


「環境が過酷だけど。魔物の強さは大したことない。事前情報通りだな」


先に進めば進むほど更に気温が上がるみたいだが。冷気を纏えば問題ないだろうし。このダンジョンに通うのも良さそうだよね。

この環境だから探検者がほぼいないのもポイントが高い。


入る前に職員さんに少し聞いたら、此処に通うのは暑さ対策に使えるスキルを持っている探索者が数人のみだって話だ。


ただ、家から遠いのがネックだよな…


まっ今は、そういった事を考えずにダンジョンを楽しもう。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



読んでいただきありがとうございます。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る