天から墜ちた身
汰栄(たさか)
佐々木 伍香(ささき いつか)
私は貴女が好きだった。でも、貴女は私が好きでは無い。それでも私は幸せだ。
貴女のそばに居る為に天から堕ちた。貴女の容姿に近くなるために自分の羽を焼き尽くした。人間には耐えられない疼痛に苦しもうと、貴女の傍にいられると思うと幸せですらあった。
貴女は早世する定めだった。それでも私は貴女に長生きさせた。例え創世の神の逆鱗に触れようと関係なかった。人間が送り込まれる煉獄より熱き煉獄に囚われようと幸せだった。貴女が長生きするのなら何億年煉獄に囚われようと幸せだ。
私の生まれつきの容姿は例え信仰される側に異形だと言われようと誇りだ。
伍香は私を好かない。何故なら異形であった時の私が好きだかららしい。天翔る私の方が好きだかららしい。例え手が届かなくても信仰対象であったときの私が好きだかららしい。
何故?私は貴女に好かれるために全てを捨てたのに。捨てる前が好きだったなんて。
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