朽ちていく私達と星

高橋 未侑(たかはし みゆう)

ニルヤ・ユーゴリット

 降り注いだ星の光に濡れた貴女は艶やかでした。

 朝が来ないで欲しい。貴女と私しかいないこの夜が永遠に続いて欲しい。貴女の嫌いな人が起きてる昼が来ないで欲しい。私のこの恋がおかしいと言う人が起きてる朝は来ないで欲しい。

 貴女以外のものを手に入れる予定は無いから永遠に貴女と指切りげんまんしていたい。貴女以外のものに触れる予定は無いから。私、貴女と抱き合うより指切りげんまんしてる時の方が好きなんだ。

 貴女は永遠を錯覚している。私はそんな愚かな貴女が好きなんだ。

 だから今ショットガンで私の頭を撃ち抜いて永遠なんて存在しないって貴女に提示して啓示したいんだ。

 貴女の凪いだ感情に波を立てられるのなら私は私の命を砕いてもいいと思う。

 貴女は愚かなのに悟っている。そんな貴女の心の内をグシャグシャに掻き乱したいんだ。例え、私の頭から深紅の花が咲いたのに貴女が動じなくたっていい。

 でも、愚かであり続ける貴女も好きなんだ。貴女の愚かさは一種のアクセサリーなんだ。貴女の瀟洒さを際立たせるんだ。

 そう、思っているのに私は今日も明日も、貴女といる限りこの感情を抱いてないふりをする。特に意味は無い。私は愚かさも好きだし、無意味も好きなんだ。

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