朽ちるまでの夢


住田 咲英(すみだ さきえ)

元橋 充香(もとはし みつか)

 私はもう少しで死ぬ。不幸な人生なら終わるとしても納得出来る。でも、なんで、最期に貴女と言う幸せに巡り会ってしまったんだろう。充香。貴女との人生が幸せだと諦めきれないじゃん。

 ねぇ、充香。私貴女と別れたいんだ。死んで貴女と別れるのが怖いから。ただでさえ死ぬのが怖いのに、更に怖くなる。

 でも、一瞬でも貴女と居られなくなるのが嫌なんだ。

 他人に作られた痣だらけの身体で貴女と見た星を想い出す。

 それは貴女からの救済が可視化されたようで。貴女からの救いは綺麗なんだろうね。そして、太陽の光の様に身を焼くようなことはないんだろうね。身を焼く太陽の光より、優しい星の光の方が私好きなんだ。

 幸せだった時間の方が少なかった。不幸な時間の方が長かった。それでも、私の幸せの真ん中が充香だから嬉しかった。例え幸せでも、貴女以外の人との幸せになんか意味を感じないから。

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