バンジョーとカズーイの大冒険 ~トラウマ製造機~
『バンジョーとカズーイの大冒険』(以下バンカズ)は、バンジョー(以下クマ)とカズーイ(以下トリ)が協力してアクションを行い、パズルのピースを集めながらステージを攻略していく3Dアクションゲームです。
次のステージへ進むのに一定数のピースが必要で、その数を満たしていれば進めるようになります。
Nintendo Switch Online で配信されたのでプレイすることにしました。
トラウマが生まれました。
■バンジョーとカズーイの大冒険
発売ハード N64
プレイ環境 Nintendo Switch Online
プレイ時間目安 2-3週間程度
・セーブして終わるだけでトラウマ
『バンジョーとカズーイの大冒険』は、クマの妹チュティが魔女にさらわれるシーンから始まり、妹を連れ戻すための冒険となります。
長い時間ゲームをプレイしていると、疲れたり、寝る時間になるのでゲームを終了しなければなりません。
ポーズ画面からセーブして終わることになります。
すんなりとゲームを終われるかと思いきやムービーが始まり、マシンの中に魔女と妹が入っている場面が映ります。
スイッチが押されると、マシンの中から整ったスタイルの魔女が出てきます。(文字通り美魔女か。)
なんと、二人の美しさが入れ替わるマシンだったのです。
一方で妹のチュティはというと――太った醜いモンスターへと変わります。
セーブして終わるだけでトラウマを植えつけられます。
実はこの小ネタは知っていて、過去に動画で見たのでプレイ時にはそこまで衝撃はなかったのですが、何度見ても怖さを感じます。
このムービーは初回のセーブか、残機が無くなった時に見ることができる――もとい見させられるので、2回目以降のセーブは問題ないです。
トラウマを植えつけられないためにも残機を無くすわけにはいかなくなってしまいました。
・水の中のトラウマ
クマとトリは水の中も冒険します。
浜辺のステージでは、海に着水するとサメが襲ってきます。
サメに当たるとダメージを受けるので、体力が0になる前に急いで上陸しなくてはなりません。
こういうステージに限って海の中に収集アイテムがあったりします。
水の中に長くいると酸素ゲージがどんどん減っていき、無くなるとどんなに体力が残っていても即死となります。
水の中では空気の確保も考えなくてはなりません。
なのでサメから逃げ続ける、酸素を確保するという二重苦を受けなければなりません。
また、港のステージでは海が油で汚れていて、酸素ゲージが2倍の早さで消費されるので難しいです。
こういうステージに限ってやはり海の中を泳がされます。
酸素ゲージも重要ですが、他にも重要なことがあります。
それはプレイヤーの焦りです。
酸素が減ってくる、敵が近づいてくるという恐怖から焦りが生まれます。
そこから次のミスが誘発され、生存確率を下げます。
……単にステージが難しいからミスが多いというのもありますけども。
■バンジョーとカズーイの大冒険2
発売ハード N64
プレイ環境 Nintendo Switch Online
プレイ時間目安 2-3週間程度
・欠陥FPS
今作からFPSの要素が加わりました。
特定のステージや特定の状況下で一人称視点となり、トリによるタマゴ射撃ができます。
最初のステージからFPSで進む場面が登場するので、序盤から新要素が出てきて胸が躍りますよね。
これが地獄の始まりでした。
プレイ環境は Nintendo Switch Online なので、コントローラーは Switch のコントローラーです。
しかし、元々は N64 のソフトなのでジャイロ操作は存在せず、射撃の照準はスティックで操作する羽目になります。
いや、ここまでは想定内の範囲です。
スティック操作でもシューティングはできますから。
N64 のソフトには『スターフォックス64』『罪と罰 〜地球の継承者〜』『ゴールデンアイ 007』など、シューティングゲームはたくさん登場していますから。
バンカズ2の場合、操作方法は以下の通りです。
スティック(前後):キャラの前後移動
スティック(左右):キャラの向きを変える
R(押し続け):キャラ固定、照準をスティックで移動できるように
Z:射撃
この操作性のなんと悪いこと。
それは最初のステージのボスが証明してくれました。
最初のステージのボスとの戦闘中はずっとFPSの状態です。
中央で回る四角柱の面に的があり、それを射撃で攻撃するとダルマ落としのように一段ずつ落ちていきます。
一段落とした時点からボスが攻撃をはじめるのですが、その攻撃方法は中央からキャラめがけて一直線に矢を放つというものです。
ここで操作方法を思い出してください。
スティックの前後でキャラが前後移動します。
横に平行移動はできません。
矢は速いので避ける前に当たってしまいます。
序盤なので体力も少ない状態です。
当然負けます。
最終的に相手から攻撃を受けても怯まずに攻撃をし続ける捨て身の戦法でなんとか勝利しました。
次のFPSの難関はミスターパッチ戦、ゆっくり動く巨大なドラゴンの風船のアップリケを攻撃し、風船に穴を開けます。
最初の一撃を与えた後は空中戦となり、空中で三人称視点と一人称視点を切り替えることになります。
攻撃は一人称視点の時しかできません。
逃げる際は三人称視点の方が視野が広がるので逃げやすそうですが、一人称視点でも逃げることは可能です。
実はこの逃げる時が問題です。
カメラは戦闘中、キャラクターの向きと同じ方向を向いているはずです。
敵の方を向いていた場合、目の前から攻撃が来ることになり、避けにくくなります。
敵がいない方を向いている場合、敵の攻撃が見えない状態で避けなくてはなりません。
しかも謎に移動先を予測して攻撃(偏差撃ち)してくるので、どうしても攻撃に当たってしまいます。
現代はシューティングゲームをかなり楽にプレイすることができるので幸せです。
スプラトゥーンたのしい。
・ニセ収集要素のトラウマ
バンカズには、ジンジョーという収集要素があります。
前作ではステージ毎に5色のジンジョーがおり、全員集めるとジグソーがもらえます。
今作では9色のジンジョー45匹が至る所にいて、1色そろう毎にジグソーがもらえます。
しかし、このジンジョーによく似たミンジョーという偽物が今作から登場します。
最初見た時は度肝を抜かれました。
だって近づくと電撃を発しながらこちらに突進してきますもの。
ぶつかると当然ダメージを受けます。
それからはジンジョーを見かけると警戒しますよね。
・A連打おばさんのトラウマ
今作ではカナリア・マリーという鳥人おばさんが登場します。
このキャラの顔も微妙に怖くてトラウマになりそうなのですが、問題はそこではありません。
いや、収集要素の1つを脇の下に挟んでいた、というのもありますがそこでもありません。嫌ですけど。
このおばさんは、最初は鉱山のステージで檻に捕らえられていて、救出するとトロッコレースを挑まれます。
トロッコレースはA連打でゴールまで目指すゲームで、1回勝利する毎に収集要素が1つ貰え、2回まで行えます。
その後は空のステージで再登場し、ここでも2回までレースを行えるのですが、これが地獄でした。
鉱山のステージでは初めてのレースというのもあって簡単なのですが、空のステージがかなり難しく、必死でA連打をしても簡単に追い抜かれてしまうのです。
最初はいいペースで勝っていたとしても途中で連打に疲れてしまい、追い抜かれてしまいます。こちらは人間です。
僕は考えました。
「コントローラーの連射機能を使え」と思ったそこのあなた。そんな卑怯な真似はしませんよ。というかそもそも僕のコントローラーにそんな機能はありません。
最初はA連打で勝ち越します。
すると、途中で疲れてしまいます。
「今だ! 一時停止!」
本来はレース中にポーズできないのですが、Nintendo Switch Online ではポーズ機能があるのでそちらを使います。
さぁ、休憩休憩――。
疲れが戻ったらA連打を再開します。
このように疲れたら一時停止、疲れが取れたら再開してA連打、をくり返し、なんとか勝利を収めました。
……え? これが本当の勝利と言えるのかって?
勝てばよかろうなのだァァァァッ!!
・トラウマ級のラスボス
ラスボスはもちろん魔女です。
魔女はマシンに乗っており、マシンから繰り出されるレーザーやミサイルを避けなければなりません。
避けきった後に、魔女からクイズが出題されます。
これが終わると魔女がハッチから顔を出して魔法で攻撃してきます。
この時FPSモードになるので、魔法を避けながら射撃してダメージを与えます。
この時の魔女の当たり判定が小さく、ある程度の高さもあり、操作性もあまりよくないので当てるのが難しいです。
……え? クイズ?
ないですか? クイズ。ボス戦でクイズ。
なぜこのような仕様になっているかは正直わかりません。開発の遊び心ですかね。
ラスボスの直前にもクイズをしていたのですが、魔女が言うには問題が余っていたみたいです。
クイズに正解しても外れてもやることは変わらないのですが、外すと魔女の攻撃が強くなり、正解すると攻撃を弱めてくれるらしいのですが、違いがわかりませんでした。
さて、魔女の体力を半分まで削っていくとマシンが動かなくなります。
そこから魔女と一騎打ちが始まるのですが、魔女は相変わらずハッチから攻撃します。
途中からモンスターを一定時間の間隔で1体ずつ召喚するのですが、こちらのやることは変わりません。
問題はここからです。
魔女の体力が15を切ると、毒ガスを発生させ、モンスターも2体ずつに増えます。
毒ガスの効果は水中と同じく、酸素ゲージが無くなっていきます。
戦いに制限時間が生じたと思っていただいてかまいません。
魔女の魔法を避けた後にいちいち照準を合わせて攻撃していると時間切れになってしまいます。
そこで、あらかじめ体力を残しておき、照準を固定させて捨て身で射撃を連打すれば勝てるでしょう。
ダメージを受けても照準の位置を保っていられるのが幸いです。
序盤と違ってここまで来るのに体力の最大値が増えているはずです。
ダメージを受けたとしても体力は残るでしょう。
最初のステージといい、捨て身で倒すしかないのはどうなんでしょうね。
さて、魔女の体力は残すところ1となりました。
魔女は体力が1になると、最大の魔法を撃ってきます。
この攻撃には後隙がないので、照準を合わせて攻撃するまでにダメージを受けてしまいます。
なけなしの体力を全て使い切る覚悟で魔女に一撃を浴びせました。
「あれ? 当たったのに倒せてない?」
こちらの弾は確かに当たっていました。
しかし、魔女は倒れません。
渾身の一発を外し、この回は負けてしまいました。
ここである予感がよぎります。
「まさか、ジンジョーを全て集めないと勝てないのでは?」
ジンジョーの残り数を確かめてみると、1匹だけ足りませんでした。
前作では、ジンジョーの親分であるジンジョネーターが魔女にとどめを刺していました。
もしかすると、今作もジンジョーがとどめを刺すに違いない。
かくして、ジンジョー集めの旅が始まった。
俺たちの戦いはこれからだ。
さて、ジンジョーを全て集めました。
目の前にはラスボスの魔女。
やっとの思いで魔女の残り体力を1にしました。
「来い! ジンジョー!」
……しかし、何も起こりません。
おかしいな。ジンジョーは魔女を倒した後に登場するだけで、普通に倒せばいいのかな。
容赦なく飛んでくる魔法。
こちらはダメージを覚悟しての捨て身戦法。
合わせにくい照準。
攻撃に耐えながら最後の一撃を射出。
魔女に命中。
「ア゛ア゛ア゛ーーーー」
魔女の断末魔の声ではなく、僕の安堵の声だ。
ここまで来るのに何時間かかったか分かりませんが、ようやく倒すことができました。
倒すことができたのはジンジョーのおかげだ。
エンディングでジンジョーが出てきて魔女にとどめを刺してくれる……はず……。
……。
しかし、そんなことは無く普通にハッピーエンドで終わりました。
そう。魔女に当たっても倒せないと思っていたのは実は勘違いで、最初から当たってなどいなかったのでした。
僕は尋常ではない勘違いを犯していたのでした。
ジンジョーだけに……。
―後日―
「さて、クリアしたことだし、バンカズ2のRTAでも見よっと。」
そこには、ラスボス戦で平行移動しているクマの姿がありました。
「……え? 平行移動できるの?」
ゲーム内ではいちいち説明してくれないので、自分で確かめるしかありませんでした。
すると、次の操作が判明しました。
C(前後):照準の上下移動
C(左右):キャラを左右に平行移動
……。
「平行移動できるじゃねぇかぁぁぁぁ!! 俺の苦労はいったい何だったんだぁぁぁぁ!!」
トホホ。もうシューティングゲームはコリゴリだ。
―完―
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