『綻ぶ花』解説

・回想の後

灰崎は寝起き。

閉店時間はとっくに過ぎているが、寝起きなのでぼんやりしている。

そのため古時計の鐘は「閉店を知らせる音」

……だと勘違いしてしまう。

本当の時間は超自然的な出来事が強力になると言われる丑三つ時。

そのため、「琉奈の現れを知らせる音」なのだ。


・琉奈の持っていた白百合

白百合は「死者に捧げる花」という花言葉を持っている。

それに関連し、「献花」として使われる。

なので長い間「死にたい」と願う灰崎へ、琉奈は、「生きている」ならば「生きてほしい」「幸せになってほしい」と想っている。

だから白百合は溶け消える。

=「まだこっちに来るには早い」という意味になる。


・最後の謎の一文

「孤月から一縷の雫が落ちた。」

これは、最終中間「遣る瀬無い気持ちから瞼を閉じた。」から繋がっている。

意味は、片目から涙が溢れた。

では、「孤月」とは何なのか。

「綻ぶ花」冒頭、「甘い蜜を落としそうな満ち足りた月の夜。」に被せて、片目を月に例えた言い方をしている。

繋がりとしてはこんな感じ。

「一縷の雫=一筋の涙=片目=孤月」


・名前に含まれた意味

「琉奈」=「月」

灰崎」=「灰色の先へ」


・ちなみに灰崎の前職

ゲスなクソン週刊誌の編集記者。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

綻ぶ花 (朗読劇台本) 志水命言 @Micoto_Shisui_

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ