第5話

「三河島駐屯地には金重キャスターがいます。

金重さん」

スタジオの売剣が金重の名を呼んだ。

「はい、三河島駐屯地では日々平和を

促進するために、家族慰安会をいたしております」

「内容は」

売剣が面白くもなさそうな顔をしてそうたずねた。

「売剣さんの暗殺計画を練ることです」

「ほお、できれば事前に知らせてほしいですな」

「司法取引をしましょう」

「どうぞ」

「三日以内にテメーッが企業連続爆破テロ犯人

として警察に名乗り出れば命だけは助けてやる」

「それは無理です」

「どうして」

「ボクは無実でなおかつ透明人間だからです」

「それでは司法取引をしましょう」

「どうぞ」

「テメエを機関銃で蜂の巣にする代わりに

ボクをイイ子いい子してください」

「それはできません」

「どうして」

「それはオマエが史上最低のグスブスバスケス

ED野郎だからだーーーーーーーーーっ」

「司法取引をしましょう」

「なんえすか」

「ボクを無罪放免してくれる代りに

アンタが火炙り磔獄門に処されてください」

「いやです」

「どうして」

「ボクはあと6000年生きながらえるつもりだからです」

「欲深い豚だな。三日で死ね」

「司法取引をしましょう」

「なに」

「オノレガ腹かっさばいて血だらけになって死んだら

世界を平和にしてさしあげます」

「いやです」

「どういて」

「これにて今生の別れ」

金重が自爆した。

世界に平和がやってきた。

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