第2話

「爆弾だ」

西嶋圭太が妻の梓とベッドインの最中

突然、大声を出した。

「何の」

梓が冷たくあしらった。

「わからん、ただ核爆弾の数億倍の威力であることは

たしかだ」

「愛人6号だーっ」

 梓が今度は大声を出した。

「まさか」

「どうして」

「愛人6号は南シナ海に重りをつけて

沈めてきたんだ。ここにあらわれるはずがない」

圭太が狼狽の色を見せた。

「愛人17号だーっ」

「そんな」

「どうして」

「愛人17号はモルジブ諸島の小島に

スコップで穴を掘って埋めて来たんだ。

ここにあらわれるはずがない」

「テメェ―の愛人584号だーっ」

梓がぶちぎれそうな顔になって大声を発した。

「そんなはずはない」

「なぜ」

「愛人は583号までだからだ」

「お後がよろしいようで」

「チャンチャン」

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