許してにゃん。

ふさふさしっぽ

本文

 猫です。

 名前はシロ。

 白田家のシロ。

 白田家の白からとったっていうのもあるかもだけど、僕の体が白いから。

 僕は白猫のシロ、ですにゃん。


 僕は白田家の家族になって三年目。僕の家の家族を紹介しますね。

 僕のお世話を主にしてくれるママさん、五十歳。

 僕と遊んでくれるパパさん、五十二歳。

 そして、ママさんとパパさんの一人息子、ヨシキ君。二十三歳。


 ヨシキ君は大学っていうところを出て、働くようになって、最近僕と遊んでくれなくなったにゃ。だから、今日は、僕はヨシキ君と遊んでもらうために、ヨシキ君のめがねを隠しちゃうにゃ。

 ヨシキ君は目がかなり悪くて、めがねがないと十歩も歩けない。めがねを隠せば仕事へは行けなくなる。

 仕事へ行かないヨシキ君は、僕と遊んでくれるはず。

 だから、ヨシキくんのめがねを隠しちゃうにゃん。

 いざ、実行にゃ。


 現在朝の六時。みんな寝てるにゃ。ヨシキ君の部屋にお邪魔するにゃ。

 いつもどおり、ドアが開きっぱなしだね。ヨシキ君が眠るベッドのわきに、めがねを発見。口にくわえて、猫ダッシュ。隠しちゃうにゃ。


「母さん、僕のめがね、知らない?」


 朝の七時。家の二階で眠るヨシキ君から、一階のママさんへの問いかけ。


「知らないわよ。じゃあ行ってくるわね」


 ママさんは仕事に出かけた。さあ、どうする、ヨシキ君。


「めがね、めがね……うわあああああ」


 なんと、ヨシキ君は階段から転げ落ちてしまった!


「うう、腰打った……、めがねがなくて、何も見えない」


「どうした、ヨシキ」


 パパさんが、二階の寝室から、駆け付ける。一階で動けなくなっているヨシキ君に駆け寄る。


「父さん、階段を踏み外しちゃったよ、めがねがなぜだか、いつもの場所になくて」


「今日は会社を休んだらどうだ、ヨシキ」


「そうする。っていうか、腰を打って、動けない。父さん、二階の僕の部屋に戻るの、手伝ってくれる」


 ヨシキ君とパパさんが、二階へ上がっていく。

 あらにゃ。

 遊んでもらうどころじゃなくなっちゃったにゃ。

 ごめんにゃ、ヨシキ君。


 ヨシキ君のめがね、返すにゃ。

 二階から、一階にくわえてきて、タンスの上に、移動させたにゃ。

 にゃ。

 しまったにゃ。

 タンスと壁の隙間にめがねが落ちちゃったにゃ。


 ……

 ……


 ごめんにゃ。許してにゃん。

 腰が治ったら遊んでほしいにゃ。


 

 おわり。


 お題の締め切りを一日勘違いしていたにゃん。

 かなり急いだにゃん(^_^;)

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