第7話 山賊退治②
森を上空を
「・・・こういうところは不意打ちに要注意だな・・・」
慎重に森を歩いている努。頭の中ではいつでも防御用に考えた魔法を放つ準備をしている。そしてそんな防御用の魔法が活躍する事態になる。
「!?
カン!
努を襲ったのは矢だった。一瞬早く気付いた努は思い描いていたドーム型の盾を自身を中心に展開。矢から自身の身を守った。
「・・・ふう・・・緊張感があるな・・・」
努は命を賭けた緊張感を感じながらも
その後も訪れる山賊たちの攻撃。当初は
「
「ウギャアアア!?」
努は殺さずに倒す手段として
「少し拍子抜けだな・・・いや油断はするべきじゃない・・・気を引き締めないとな・・・」
簡単に倒せることにより油断しそうになるも40歳おっさんの人生経験で油断は禁物を心に刻み再び気を引き締めて先へと進む。
そうして何度か山賊を気絶させたとき、努はとうとう山賊たちのアジトに到着した。
「・・・こんなところに洞窟か・・・調べるか・・・」
洞窟の中へと入っていく努。洞窟の中に入ってから山賊の襲撃は起こらず何度目かの曲がり角を曲がった瞬間。
キン!
山賊が出て来なくとも警戒を怠らなかった努。さらに何度も
「・・・あんた・・・なにもんだ・・・」
開かれた場所にて座っているサーズ。周りには他の山賊はおらず1人。
「・・・お前か。山賊たちのボスは・・・」
努がサーズの言葉に答えずそう呟くとサーズはゆっくりと立ち上がり努に手の平を向ける。
「・・・俺の質問に・・・答えろ!・・・」
ギュン!
一本の剣が浮かび上がりとてつもない速度にて努に向かっていく。
「!?
キン!
驚きつつもなんとか
「・・・また俺のセイバーを防いだか・・・強力な防御魔法だな・・・もう一度聞こう・・・お前は何者だ・・・」
セイバーとはサーズが使用する剣を浮かせる魔法のようだ。
「・・・俺は田中努・・・ただのサラリーマンだ・・・」
「さらにりーまん?・・・聞いたことが無いがまあいい・・・俺に敵対する者は・・・殺すだけだ!」
その宣言のもと本格的に戦闘が開始した。
ギュン!
努のもとに向かって剣を放つ。努はそれを先ほどと違い
2本3本と努に襲い掛かり合計5本の剣が努を襲う。
「くっ!?くそっ!?」
ブン!ブン!
5つの剣はただ振り回しているわけではなく1本1本が達人が振るう剣のように鋭く速い。それらを努はなんとか身体強化を強くして回避していく。
「
なんとか隙をつき
「舐めるな」
ザン!
サーズは腰に差している2つの剣で
「・・・
サーズは努の動きや殺傷能力が無い魔法を使ったことなどを考慮して戦いについては素人であると結論付けた。
「・・・どういった経緯でそれほどの力を手に入れたかは知らないが
努は昨日魔法を使えるようになったばかりであり強くなる必要性を感じて山賊を相手に
「・・・確かに俺は命を賭けるという事を甘く考えていた・・・だが自覚したからと言ってすぐに殺そうとは思えない・・・殺すのは怖いし殺されるのも怖い・・・」
その言葉に戦いに身を置くものとして強者との戦闘を少しは楽しみにしていたサーズ。しかし努の言葉を受けたサーズの心にあるのは失望だった。
「・・・今すぐに覚悟を決めることは出来ない・・・だけど・・・お前を圧倒すればいいんだろ?」
努は魔眼を隠すために使用していた
「やってみろ・・・田中努!!」
2本の剣を持ち5本の剣を操る元騎士将軍サーズ・ノックvs2日前に魔法に目覚めた戦闘の素人の田中努の第2ラウンドが幕を開けた。
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