第3話 初異世界人?

異世界の草原のような場所へと黄色の鍵でやってきたつとむ。すると、扉も黄色の鍵も消えた。


転移テレポートで帰れるのは実証済みだしも無いことは確認している。問題ない」


先ほど帰った時に異世界に一瞬行って帰った努はチラッと時計を見た。だが特に時間は進んでいなかったので努は漫画やアニメによくある1日経ったら1週間経っているなどの時間のズレが無い事は確認済みである。


「あと想定される問題は・・・」


そう異世界に来たことによる問題を考えていたその時。


「・・・グアア・・・」


そう言って地面から這い出てきた存在が。目の前でそれを見た努はそのゾンビのような様相に恐怖していた。


「・・・この世界の人・・・っていう可能性も・・・」


どういう異世界か分からないために目の前で地面から這い出てきたゾンビのような見た目の存在を恐怖はしつつもコミュニケーションを取ろうとする。


「・・・あのう~・・・言葉ってわかりますか?・・・」


"魔物の類だろう"と考えつつもわずかな可能性を考えて努はゆっくりと近寄り声を掛ける。


「・・・グガア・・・・・・グガアアア!!」


突如としてゾンビのような見た目のそいつは近寄る努を殴ろうと拳を振り下ろす。


「うわぁ!?」


ドバン!!


幸い努は敵の可能性を考えていつでも逃げられるように身体を強化していたので後退して振り下ろしの攻撃を回避できた。しかしそのモンスターの振り下ろしにより地面にはクレーターが出来上がった。


「・・・おいおい・・・どんな威力だよ・・・」


その威力を目の前で見て一個間違えれば死んでいたことを自覚した努は身体が恐怖で強張った。


「グガアアア!!」


しかし目の前のモンスターはそんな努に配慮などは当然しない。先ほど努を恐怖させた力で今度は一気に努に近寄り怖がり強張っている努を殺しにかかる。


「うわあああああ!?!?サラリーマンを舐めんじゃねえエエエ!?!?」


努は40歳のサラリーマン魂を発揮してがむしゃらに直感に従い手の平から炎を放射する。


ボオオオオ!!


その威力と規模は断末魔さえも発せない程に一瞬にしてモンスターを燃え上がらせそして手の先の草原を見える限り先まで燃え上がらせた。


「・・・俺って・・・強いの・・・か?・・・」


魔眼にて魔素を視認できることの強力性を少し理解しかけている努。ここで若者ならば力に溺れる者もいるかもしれない。しかし努は酸いも甘いも経験した40歳独身サラリーマン。チートと喜ぶよりもまずは心配から入る。


「・・・もしこの先に・・・人がいたら・・・ヤバい!?」


誰かを殺してしまっている可能性に瞬時にたどり着きとりあえず水にて火消しをしながら放射した先を確認する努。


「・・・でもあのモンスターが一瞬でああなるんなら・・・誰かが巻き込まれたか確認しようがない・・・どうしよう・・・」


自身の行動により人殺しをしてしまったのではと恐怖に陥りそれでも痕跡が無いかを確認しながら進むと結局は誰かが死んだかもしれないという痕跡は何も見つからなかった。


「・・・ひとまず誰かが死んだ痕跡が無かったことは良かった・・・あとはここら辺を誰かが通るかが分かれば・・・結果が分かる・・・・・・でも、わざわざそこまでしなくてもいいのか・・・分からないんなら分からないまま結果を調べなくても・・・」


真実を調べた結果誰かを殺したと出た場合の恐怖を考えてうやむやにしようと考える努。しかしそんな努の先に村が見えた。


「・・・聞いてみるしかないか・・・」


努は決意をして放射した付近にあった村に聞き込みをすることにした。


その村は特別栄えているわけでもなく特別貧しそうにも見えないのどかそうな村。そんな村に入り近くにいた村人に聞き込みを行った。


「あの~?」

「んん?なんだあんちゃん?見かけねえ顔だな?」


村人は40歳の努よりも年上のお爺さん。


「ええ~とです・・・先ほどあそこ辺りで間違えて魔法を放ってしまったんですけど誰か巻き添えをくらってしまった人っていますかね?・・・」


努は誤魔化しつつも真実を知るために聞いた。


「おお!あのすごい魔法はあんちゃんか!安心しろ!こんな辺境には誰も来んよ!もちろん村人の誰も被害にはあってないしの!」

「本当ですか!?よかった~・・・」


完全に安心した様子でホッと安堵する努。


「しっかしさっきのはすごい魔法だったの~!あんたはシュタイン王国の魔法師団長なのかの?」


ここで努はこの世界の常識も学ぶために嘘もつかず真実も言わない方法を取った。


「すいません。俺はじゃないんです。だからこの大陸の常識を何も知らなくて。教えてもらってもいいですか?」


事実として努はこの大陸の人間ではない。故に努は嘘をついているわけでもなくしかし魔法がある世界のためにいくらでも言いつくろうことのできる設定を話した。


こうして努はこの世界の常識を手に入れた。

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