第2話 異世界と転移
露天商のお爺さんから貰った3色の鍵の赤い鍵を使用した
「・・・いや・・・そうか・・・この魔眼は
魔素とは努が勝手に命名した名称に過ぎない。努が開眼した魔眼の役割とは空気中に浮かぶ魔素を視認することを差す。この地球では発見されていないだけで魔素は存在する。空想の代物ではないことが努の魔眼にて証明された。
「・・・魔素が使えるのなら・・・
魔眼を開眼した努は見えている魔素を操り飛ぶイメージをする。すると努のイメージ通りに魔素は動き努は空を飛んだ。地球上で唯一の魔法使いが誕生した瞬間である。
「これは・・・ハハハ・・・まさかこの年でここまでわくわくすることに出会えるとは・・・」
努が視認しているのは魔素である。ではなぜ
魔素はそれ単体で空気中に浮いているわけではなく魔素は
努が微かにしか視認できない魔素の周囲にあるもの、それも含め魔素も入れてすべてで魔力。ではなぜ魔眼は魔力ではなく魔素を視認するのか。それは魔力よりも大事なのが魔素だから。
例えば魔力をゆで卵で表そう。ゆで卵を魔力と仮定して話した場合ゆで卵には白身と黄身が存在するがその黄身部分が魔素であり白身部分は魔法を使うには余計な副産物に過ぎない。魔法を使うのには白身部分は邪魔な存在であり出来るのならば魔力ではなく白身部分を排除した黄身部分である魔素を使って魔法を使う方が効率的であり威力も桁違いに高い。
そこまで努が理解できているのは魔眼に開眼したためである。
「・・・この鍵は本物だったのか・・・じゃああの露天商は一体・・・」
気になった努は外に飛び出して露天商と出会った小道に向かう事とした。ちなみに赤い模様と青い模様の魔眼は目立つのでそれまでの普通の眼に
走る努。地味に魔素で己を強化して。
ビュン!
「おっと出し過ぎか・・・これぐらいならいいか?・・・」
人通りのない場所にて不自然じゃない程度の走力まで調節してから進んだ。努は昨日露天商がいた場所にまでやって来ていた。
しかしそこには露天商もなにもなかった。
「・・・あれは神様とかなのか・・・でもなぜ俺に・・・」
いくら考えても真実は分からない。故に努は考えるのをやめて貰った他の鍵を試してみることとした。
家に帰ってきた努。
「しかし確か青い鍵は他人の才能の扉を開く鍵って言ってたな。だったら使うのは黄色の鍵か」
黄色の鍵は往復しか使えないものの異世界の扉を開く、つまり異世界に行くことが可能な鍵である。
「でも・・・この鍵はどうやって使うんだ?」
一応自分に押し当てる努。しかし赤い鍵とは違いなにも起こらない。
「・・・・・・」
なんとなく努はトイレの鍵穴に差し込もうと試みる。
「・・・入るわけないよな・・・大きさからして」
"違うわけだし"。そこまで言い終わる前にトイレの鍵穴に当てていた黄色の鍵が形を変えて入っていき、ひとりでに鍵が回る。
ガチャ
「・・・これでいいのか・・・じゃあまさか・・・」
緊張しながらもトイレの扉を開けた努。するとその先に広がっていたのは洋式便器ではなく
「・・・これが・・・異世界・・・」
草原のような場所についた努。自身の魔眼が開眼したことで鍵が本物と信じていたもののちゃんと経験すればやはり驚愕により言葉を失う努。だが、努の魔眼に見えている景色はそれだけではなかった。
「・・・今の魔素の動き・・・まさか・・・」
一瞬で閉じたものの異世界と地球を繋ぐ扉を開いた努。その時の魔素の流れを魔眼で見た努は
「・・・多分出来る・・・試すか・・・」
そう言って異世界に来た努は異世界を歩くことなく頭に浮かんだ
「
シュン
努は異世界から消え先ほどまでいた自分の家の中に移動していた。努が転移の魔法を取得した瞬間だった。
「・・・成功だ・・・これを使えば・・・これを使えば!!
努はサラリーマンである。毎朝満員電車に乗りぎゅうぎゅう詰めにされて通勤している。それは異世界を何度でも行ったり来たりが可能という事よりも努的には魅力的に映った。だが結果的に努はバレるリスクを恐れて地獄電車を使用することになる。
「と、そうだそうだ。こんな格好で外に出るのもな・・・着替えるか・・・」
努は現在露天商を探すために外に出たのでパジャマではないとはいえ半部屋着のような軽く出掛ける用の服装。故にとりあえず外出用の服に着替え靴を履いて念のために青の鍵を持って再びトイレの鍵穴に黄色の鍵を通して異世界に旅立った。
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