10, 高木 宗谷 

 俺、クラス委員長である、高木 宗谷は謎のデスゲームの開始と共に廊下へと走り出した。


とりあえず1階に行って本当に閉じ込められてしまったのか、確認をすることにした。


俺は陸上部だから足の速さには自信がある。


あっという間に俺たちの教室のある3階から1階へと駆け降りた。


昇降口へと向かい、扉を開けようとするが全て開かなくなっていた。つまみの鍵を動かしても無駄だった。


俺はすぐに諦めて他にも出られる場所がないか探す。


後から来た何人かの子たちは昇降口の扉を叩きながら「誰か助けて!!」と叫び、扉をドンドン!と叩いていた。


(あいつらそんなことしてたら…!)


そう思った時にはすでに遅く、チェーンソーの音と共に断末魔が聞こえてきた。


「くそっ、もう来やがったのか…。」


俺はとりあえず近くの教室に入って隠れることにした。


俺が入った教室はどうやら迷路をやるクラスだったようで、隠れられる場所は多そうだ。


急いで近くの壁の土台として組まれている机の下に隠れる。



しばらくすると


ガラガラガラ


「はぁ、はぁ、はぁ…」


息を切らして誰かが俺のいる教室に入ってきた。


息を潜めているとぬいぐるみの足が壁の隙間から見えた。


ガタン、ガタンと迷路を崩しながら逃げ惑う人物。


しかし、


ウィーーン


「うわぁ!やめろぉ〜!!」


ガガガガガガ!


「6人目、いっちょ上がり!」


スティーラによってクラスの誰かがやられた。


もう出ていくだろうと安心したのも束の間。


「…ん?もう1人いるかな?」


そう言うとスティーラは鼻歌を歌いながらこちらに向かってくるではないか。


俺はただ、必死に息を殺して身を潜める。


(頼む…早くどっか行ってくれ…。)


スティーラの足が俺の前で止まった。




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