9, デスゲーム開始

 クラスの委員長である、高木 宗谷(そうや)がその袋の中身を恐る恐る開けて見る。


「うわぁ!!」


そこにあったのはなんと、腕や脚などバラバラにされた死体だった。


「キャーーーー!!」


クラス全員がパニックに陥った。


死体を見て吐く者、目を伏せる者…。


そして中には興味を持つ者もいた。


クラスの中でも問題児扱いされている、斎藤 雅生(さいとう がお)だ。


彼は袋を持ち上げるとドサドサッと中身を全部出した。


出した拍子に頭部が転がり、みんなが後退りする中、私はその頭部をまじまじと見つめる。


(どこかでみたような顔…。もしかして…)


そう、その頭部は


「綾香…!!ということは…、もう1人はひかる…?!」



麻実が言うとクラスのみんなが困惑の表情になった。


「う、嘘…でしょ?これってドッキリか何かじゃないの?今すぐやめなさいよ!お祖父様に言いつけるわよ!」


華奈美がスティーラに向かって怒鳴り散らす。


するとスティーラはチェーンソーを構えると次の瞬間、


ヴィーーーン!!!!


「あぁぁぁーーーー!!!!」


たまたま近くにいたクラスの男の子の首を切り落としてみせたのだ。


「嘘じゃないよ〜。これは現実さ!お祖父様に言いつけるとか言ってたけど、この空間はボクの支配下にあるからゲームが終わるまでは誰も外からは入ってこれないんだ〜。

じゃあ、始めるよ!いーち、にー、さーん…」


突如始まったカウントにみんなは慌てて廊下へと逃げ出した。


私も廊下に出る。


(このゲーム、ただ走ってるだけじゃすぐに捕まっちゃう。どこかに隠れないと…。)


そう思った私は階段の隣にある化学室へと身を潜めることにした。


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