11, その足は…

(頼む…早くどっか行ってくれ…。)


スティーラの足が俺の前で止まった。


「……。」


すると願いが通じたのか、スティーラは廊下から聞こえてきた声に反応してすぐに俺の前から立ち去ったのだった。


「はぁ〜…。危なかった…。」


ホッとしていると手が濡れていることに気づいた。


見るとなんと、血がベッタリとついているではないか。


「あぁー!」


急いで机の下から出ると床が所々血まみれになっていた。


目線を遺体の方へとやる。


首を切られたのはクラスの男子、笠寺 冬人(かさでら ふゆと)であった。


笠寺くんとはあまり接点がなく、クラスメイトとして少し話す程度だったが、とても真面目な性格だったと覚えている。


「ごめん、笠寺くん…。」


笠寺くんの遺体に手を合わせる。


さて、どうすることもできないこの状況をどう打開するのか。


6人殺された現在、実際にはクラス34人中、3人はすでに殺されている状態だから残りはあと25人…。


残り時間はあと1時間50分。


このまま逃げ切れる可能性はあるのだろうか。


(これからどうすればいいんだ…。)


俺は遺体を見つめながら考えを巡らすのだった。









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