1章 5話初恋 2

そこは公園だった、公園の中には、僕と僕を

いじめてる3人の男の子がいた。

「や、やめてよ」

「うるさいな、うざいんだよ!」

大柄な体型をした男の子は力いっぱいに僕を蹴っていた。そしてそいつの取り巻き達は、そんな僕の姿に笑っていた。

(だれか助けて)

こんなことを思っていると、突然1人の女の子が現れた。

「あんた達何やってるの!」

その子は出て来て開口一番にこう言った。

「何だテメェ?偉そうだな、俺たちの勝手だろ?」

「可哀想でしょ、その子が。まだ続けるならお巡りさん呼ぶわよ!」

その子は数人の男の子を相手に怯むことなく、そう発言した。

「わかったから、誰にも言うなよ!」

流石にまずいと思ったのか、僕をいじめていた奴らは消えて行った。

「よかった〜」

その子は安心したのかほっと一息ついたあと、僕に近づいた。

「君大丈夫?怪我してるみたいだけど。」

「大丈夫血は出てないから、それより、ありがとう助けてくれて。」

「良いわよこれくらい。そんなことより、あなたも少しぐらい言い返したらどう?」

「言い返したけど、あいつら全然やめてくれないんだもん」

この時の僕は人に物事をはっきりと言う力は無く、よくいじめられていた。

「やめてくれないってことはそれだけ、あなたがハッキリ言ってないってことじゃない」

その子の表情が少し強張った。

「私のお父さんがよく言ってるの、言いたいことをはっきり言わないと、いろんな人に嫌われちゃっていじめられたりしちゃうよって」 

「無理だよ僕には」

(どんなに頑張ったって無理だよ)

そんな考えが頭によぎっていると、

「もし君が言いたいことを言えなくていじめられちゃうなら、それまで私が守ってあげる!」

「え…?」

突然僕の耳にこんな言葉が届いた。

「けどもし私が言いたいことが言えずにいたら、その時は君が私に言って、言いたいことはしっかり言うんだよって」

夕日に照らされた顔を真っ直ぐにして、

「約束!」と言ってくれた。

見ず知らずの僕に対して、ここまで言って、守ってくれる。

あの子の言葉はなぜか僕の心に沁み、自然とうなずいていた。

そんな僕を見て、夕日に照らされているあの子の顔が笑顔になり、その表情がとても綺麗に見えた。

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