第41話 まとめ。。。
「霧野 ぬん」。
ぬんは、今、振り返る。
自分の心って、どこにあったんだろう。
自分らしさって、何だったんだろう。
少なくとも、大学の時までは、自分らしい自分がちゃんといた。
周りにいる人たちとの中で、本当の自分の姿をさらけ出しても、周りのみんなはきちんと受けられた。
周りの人たちもみんな自分たちの全てを見せていた。
だから、もちろん、友人との意見の対立はあったが、きちんと自分の主張も話せていた。
それがどうだろう。
K奈川県庁に勤めても、引き続き、自分らしくのびのび生きたかったのに、取り分け、道も外れていないのに頭ごなしに潰されてきた。
仕事を着実にまじめにしている人は偉くならず、能力ないのに上司に媚びへつらって、一緒に飲みに行ったりしている人が偉くなっていた。
今、異動の時期に、同期などで神奈川新聞に写真が出ている人たちは、
「え、何でこの人が?この人、何もしてなかった人じゃない。」と言う人。
しっかり頑張っている人は新聞の異動欄に、名前すら載らない。
何なの?この世界。
ぬんも、それが県庁の世界だということが分かった時から、自分を殺して地道に頑張ってきた。
でも、控えめに意見を言っても、「(よくできているから)生意気なんだよ。」とか、「女だぜ。」だからとか、訳も分からない理由で、パワーハラスメント・セクハラスメントを受けてきた。
一人の上司に精神的、肉体的に傷つけられても、他の上司たちは知らん顔。
自分の身を守ることばかり。
そのために、警察沙汰並みの肉体的暴力、収賄、間違った公金扱いは全て隠ぺい。
そういう上司たちの行いを見るたび、がっかりした。
そして、ぬんは、入庁した時はあんなに健康で生き生きしていたのに、上司の十数年に渡る度重なる陰惨ないじめによって、いつの間にか、障がい者になった。
仕事で関係した県民の方々とのふれあいの時間が唯一ぬんの心の支えだった。
県民との仕事は、本当に楽しかった。
県民は、普通の人間なのに。
大学の頃、周囲の人を受けいれることができる人間と同じ人間なのに。
でも、多くのK奈川県職員は異種の人間だった。
偉くなりたい上向きの人々は、県民との関係をこばんでいた。
なぜ?ぬんは、それを見てがっかりした。
上司たちが県民を裏切っているのを見たことは、数知れない。
そして、偉くなりたい上向きの人々(代表はJ事課等)は、ぬんに「障害者ハラスメント」を公然と行った。
仕事で体が不自由になった、そんな県職員のぬんをJ事課は、笑いいながら捨てた。
副主幹への昇格は、J事課がぬんに「障害者ハラスメント」していないと、考えるぬんの指標だった。
だから、毎年3月末、ずっと様子をうかがってきた。
今年もぬんは副主幹にならなかった。
J事課は、「障害者ハラスメント」をしている。
そういうことだ。
最近、K奈川県庁の仕事のことをSNSで自慢していたぬんは、SNSに書くことがなくなり、仲よくしていたSNSの友人たちからの楽しい話題を見るだけになった。
K奈川県庁が自慢できなくなったから。
このさき、この人たちどこに向かっていくのだろう。
K奈川県の公僕なのに、県民との距離を置き、上司の顔色だけを窺って、犯罪を隠蔽し、公然と障害者差別を行い、どこを目指しているのだろう。
本来の県職員のあるべき姿を失った人たち。
道に迷った神奈川県庁の人々・・・あなたたちはいったいどこに行くのですか?
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