メガネを掛けていない俺と、メガネを外すとしおらしくなる女子の話
尾津嘉寿夫 ーおづかずおー
よくメガネを壊す女子の話
小学2年生のときに隣の席の女の子が休み時間にメガネを壊した。
その娘はお下げ髪で可愛らしい女の子だったのだが、メガネが無いと人の顔も判別できない程目が悪いらしい。
普段は男子達に混ざり鬼ごっこやドッジボールで遊ぶような、男勝りな女の子だったのだが、周りのものを判別できないことが怖いらしく、普段の快活さが嘘のようにしおらしくしていた。
仕方がないので手を繋ぎ彼女を家まで送り届けた。
中学2年生のときに同じ部活の女子が部活の練習中にメガネを壊した。
その娘はショートカットで背の高い女子だったのだが、メガネが無いと人の顔も判別できない程目が悪いらしい。
彼女の部活はバスケ部で、男子並の鋭いドライブを決めることが出来る女子だったのだが、メガネがないと人の細かな動きがわからないため、普段の動きが嘘のようにしおらしくしていた。
仕方がないので手を繋ぎ彼女を家まで送り届けた。
高校2年生のときに同じクラスの女子が体育祭でメガネを壊した。
その娘はポニーテールで足の早い女子だったのだが、メガネが無いと人の顔も判別できない程目が悪いらしい。
彼女は女子リレーのアンカーだったのだが、リレーの直前に参加した競技でメガネを壊したため、リレーで本来の実力が出せずクラスは敗退した。普段の明るさが嘘のようにしおらしくなり、大粒の涙を流していた。
仕方がないので手を繋ぎ彼女を家まで送り届けた。
大学生になりメガネを掛けた運動神経の良い彼女が出来た。
大学受験が終わり満を持して告白をしたら、
「もっと早く告白してよ。アンタのせいで高校時代に彼氏をつくらなかったんだから!」
と言われ胸をグーで小突かれた。
彼女のメガネを外してキスをすると、彼女はしおらしくなった。
仕方がないので手を繋ぎ彼女を家まで送り届けた。
そして社会人になり、俺は彼女と結婚をした。
今、ベッドの上で彼女のメガネを外すと彼女はしおらしくなった。
俺は、俺の指を彼女の指に絡めた。
メガネを掛けていない俺と、メガネを外すとしおらしくなる女子の話 尾津嘉寿夫 ーおづかずおー @Oz_Kazuo
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