第6話 オオカミ、進化する

『よくやったわよー‼︎』


母さんが抱きついてきたけどそれも気ならないほど俺は興奮していた。

ホブゴブリンを倒した。あのときのオーク並の威圧感があった奴を倒せたということはあの頃のオークも倒せるようになったことになる。確実に強くなれていることが嬉しくてたまらなかった。


『遅かったな。しかし、よくぞ進化個体を弱らせたとはいえ進化していない身で倒した。流石だ。』


親父も褒めてくれてとってもむず痒かった。


『さて、レベルも最初の限界値までいって進化できるようになったであろう。さっそく進化してみせよ。』


親父に促されながら俺はステータスを開いて確認してみた。

すると、種族が書いてある場所に《進化可能》と書いてある今まで見慣れない文字が書いてあった。


そこをじっと見ていると進化先が出てきた。

【以下の種族に進化可能です。】

【・レッサーホワイトウルフ】

【・レッサーブラックウルフ】

【・レッサーセラドンウルフ】


3つの種族に進化できるのか。

ホワイトとブラックは母さんと親父が関係しているのは分かるけど、セラドン?何かは分からんが進化先を良く見てみよう。


【レッサーホワイトウルフ】

【ホワイトウルフの下位個体。回復魔法と氷魔法が獲得可能になり、魔法ステータスが上がりやすくなる代わりに物理ステータスが普通のオオカミより上がりづらい。】


ほうほう。レッサーホワイトウルフは魔法に強いオオカミってことになるのか。回復魔法まで覚えられるのか。こっちを選んだら母さんみたいなオオカミになるんだろう。

続いてブラックの方も見てみよう。


【レッサーブラックウルフ】

【ブラックウルフの下位個体。闇魔法を覚えることができるが扱う個体は少ない。物理ステータスが上がりやすくなる代わりに魔法ステータスが上がりづらい。】


ブラックウルフはホワイトウルフとは逆で物理に強いオオカミだった。親父は闇魔法が使えるのか?

そしていよいよ最後の進化先だ。


【レッサーセラドンウルフ】

【ホワイトウルフとブラックウルフの血統から生まれた突然変異のユニーク個体。氷魔法と闇魔法を獲得することができ素早さが上がりやすくなる。】


分からなかったセラドンについての説明がすごかった。ユニーク個体!?それってレアな種族ってことじゃん。レッサーホワイトウルフとレッサーブラックウルフのどっちかで迷ってたけど、これセラドン一択じゃん!しかもセラドン、どれが上がりにくくなるとか書いていないから、素早さが上がりやすくなるだけでメリットしかないぞこれ。


俺は迷わず【レッサーセラドンウルフ】に進化することを選んだ。

途端に急激な眠気が襲ってきた。


『え?…急に…眠く…』


『あぁ、言い忘れていたが進化する際は眠ってしまう。周りは我らで警戒しておる故気にせずに眠っておけ。』


その声を最後に俺の意識は途絶えた。


【ナディーの眠りを確認…進化を開始します。】

【氷魔法を獲得…成功しました。】

【闇魔法を獲得…失敗しました。…遺伝子情報を確認…影魔法を獲得…成功しました。】

【熟練度が一定に達しました。スキル〈超嗅覚〉が1→2に上がりました。】

【熟練度が一定に達しました。ユニークスキル〈加速〉のレベルが2→3へ上がりました。】

【進化によるステータス強化を確認…成功しました。】









—その日、世界に新たなユニークモンスターが誕生した。これにより、世界に新たな時代がやってくることになる。それが吉と出るか凶とでるかは、果たして………


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名前 ナディー

種族 レッサーセラドンウルフ

Lv.1


HP100/100

MP70/70

攻撃力.50

防御力.50

魔撃力.45

魔法抵抗.40

素早さ.120


ユニークスキル

〈加速Lv.3〉


スキル

〈爪撃Lv.5〉 〈牙撃Lv.5〉 〈夜目Lv.1〉

〈逃走Lv.2〉 〈疾走Lv.2〉 〈超嗅覚Lv.2〉

〈爪術Lv.1〉 〈牙術Lv.1〉 〈危機感知Lv.1〉

〈威圧Lv.1〉 〈氷魔法Lv.1〉 〈影魔法Lv.1〉


称号

〈転生者〉 〈逃走者〉 〈進化個体〉

〈ユニーク個体〉 〈突然変異〉


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