第55話 エピローグ①
アインゼス竜皇国軍が全てを薙ぎ払った後、人族の間で覇を競って相争うという事態に陥った。
いくつかの国が生まれ、滅び、統合され、分裂していった。その際に多くの人命が失われていった。
アインゼス竜王国軍が帰還して約一〇〇年後に人族の国家は四つの王国に統合されていた。
そんな四つの王国の中で最も大国であったナルシア王国は、魔族に戦いを挑んできたのである。
将兵総数三十万の大軍である。それがすでに形骸化していた
しかし、
しかし、ナルシア王国の将兵達は魔族達がどのような存在であったかすぐに知ることになる。
マルト、ゴルザー、ギルノー、リュヴィスが敵陣に突っ込むと容赦なくナルシア王国の将兵達を容赦なく蹴散らしていった。
四人の魔族達は一切手加減などしない。腕の一振りで将兵達の体がちぎれ飛ぶ。
「あなた~がんばって~」
リフィが赤ん坊を抱きながら夫であるリュヴィスに声援を送る。
「まかせてくれ!! さぁ、悪漢共!!我が愛する妻と息子、家族を害しようなどこのリュヴィスが許さん!! 報いを受けろ!! はっはっはっ!!」
リフィの夫であるリュヴィスが容赦なく将兵達を肉片に変えていく。あまりの強さにナルシア王国の将兵達は逃げ出し始めたがリュヴィスは容赦なく背後から打ち抜いていく。
「それじゃあ、私達も始めるとしましょう」
ミューレイの言葉にイリュテとエルマース、そしてリフィは頷いた。
「どれくらい送り込む?」
「五万くらいで良いと思うわよ」
「はーい」
リフィはそう言うと虚空に魔法陣を描き出した。リフィの描き出した魔法陣は大量に人形達を送り込んだ。場所はもちろん、ナルシア王国の王都である。もちろん、そこに送り込んだ人形達は容赦なく王都の人間達を襲い始めた。
リフィ達はかつてのように襲ってくるものに対して甘い対応をするようなことをやめ、きっちり報復を行うようになっているのである。これは寛大さと弱さの区別がつかない者達がいるのだ。そのような連中に配慮をしても無駄であると言う結論になっているのである。
二万ほどの将兵を蹂躙したところで、ナルシア王国軍は瓦解した。
だがナルシア軍は逃げ切れるものではない。魔族達はナルシア軍を覆う形で結界を張っており、その結界を破ることができなければ逃げることはできないのだが、そのような事が出来るはずはない。
「それじゃあ、全員で行こうかな」
ゴルザーはそういうと地面に強大な魔法陣を描き出すとナルシア軍の将兵達の気配が完全に消えた。ゴルザーが転移させたのだ。
ゴルザーは次の瞬間にポンと手を叩くと家族全員で転移する。
するとナルシア王国の王都の上空三〇〇メートルに浮かんでいた。
「た、たすけてくれぇぇぇ!!」
「ひぃぃ!!」
「ま、まってくれ!!」
そこにはすでにナルシア王国軍の二十八万の将兵達が檻に入れられた状態で恐慌状態になっていた。
「さて、諸君。君達は私達を殺そうとした。当然ながら我々は君達を許すつもりはない」
マルトの言葉に将兵達は顔を青くした。マルトの言葉は死刑宣告に他ならない。
「君達は我々を殺そうとした。それ故に我々は報復に容赦はしないし、躊躇もしない。ああ、後に残された家族のことは心配するな。全員例外なく皆殺しにする」
マルトの言葉は淡々としておりそれが将兵達にとって確実に自分達の身に起きることであることを理解した。
「それじゃあ」
マルトはそう言うとありの下部分を消失させると二十八万の将兵達が投下された。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ひぃぃぃ!!」
「いやだぁぁぁぁ!!」
投下された将兵達は絶叫を放ちながら墜落していく。彼らの命は例外なく数十秒後には消え失せるのだ。そこに身分など関係なかった。
「よし、それじゃあトドメを刺すとしよう」
ギルノーはそう言うと再び転移する。転移先はナルシア王国の上層部のいる場である。
「あぁ、そのままそのまま……ゆっくりしてくれ」
リュヴィスの言葉に上層部は顔を凍らせた。
「さて、我々は君達が魔族と定義する者達だ。ここになんの要件で来たかわからないものがいるかな?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます