第5話:セシルから告られる。

さて、ようやくエレベーターをクリアして俺の部屋へ。


「入って入って」


「おじゃしマンモス〜」


「わ〜それいつのギャグ?」


「許容範囲広いの私・・・かなり古いデータまでインプットされてるから・・・」


「ふ〜ん・・・役に立つデータならいいけどな・・・」

「今のみたいなくだらないギャグは笑えないよ」

「とりあえずソファーにでも座ってて・・・」

「え〜と飲み物は・・・って言うかガイノイドだからなにも飲まないんだっけ?」


「はい・・食べ物も食べないし、飲み物も飲まないし・・・オシッコもしないし、

オナラもウンチもしないの」


「おお〜経済的〜・・・助かるわ・・・でも楽しみ薄いな」

「じゃ〜必要なのは着るものだけか・・・家政婦だから、外に出なきゃ

エプロンだけあったらいいけどな・・・あはは冗談だから・・・」


「けどさ、それじゃエネルギーとか栄養とかどうやって補給するんだよ」


「私の体の中にパーペチュアルなんちゃらってのがあって、それで永久に

動けるんだって・・・」


「永久電池ってことか・・・なるほどぉ」


「あの、私いつまで未来ちゃんちに、置いてくれるの?」


「え?とりあえず、ずっとのつもりだけど・・・」

「って言うか俺に彼女ができたり、誰かと結婚でもしたら家政婦さんはいらなく

なるかな」


「未来ちゃんに彼女ができたら、私捨てられるの?」

「捨てたりなんかしないよ・・・たぶん、次の人のところの家に、もらわれて?

行くんじないかな?


「ヤだ・・・もしそんなことになったら世を儚んで自分で機能止めちゃうから」


「え〜・・・なにそれ・・・俺を脅すつもりか?」

もしかして自殺?しょうって魂胆?」


「自殺じゃなくて自壊って言うの」


「言い方違っても同じことだろ?」

「結婚って話は俺個人の問題でセシルには関係ないだろ?」


「そう思ってるでしょ・・・違うの」

「だって私、未来ちゃんのこと好きになっちゃったんだもん」


「はや!!」


「ってか・・・ガイノイドが?・・・人を好きになったりなんかするのか?」

「セシルと会ってまだ数時間したってないじゃないかよ?」

「なのに好きだって、いきなり告白されても・・・」


「待てよ・・・俺のこといつから好きになったんだ?」


「おばあちゃんちで未来ちゃんを見た時、あ、この人イケメンって思っちゃった

のが私の恋のはじまり・・・」


「え?イケメン・・・俺、今までそんなこと言われたことないけどな」

「ばあさんちでか?・・・あのわずかな時間に?」


「でね、お店を出た時に好き度が20%ほどアップして」

「で、お手々をつないだ時に40%までアップして」

「ふたりで電車とバスの乗って降りた時点で60%くらいまでアップして」

「エレベーター降りた瞬間に80%になって、玄関入ったら好き度100%に

なっちゃってたの・・・ 」


「今はもう大好きって気持ちのメーター振り切って100%超えてるよ」

「もう戻れないの・・・私のジェネレーター、オーバーヒート起こしそう」


「なにそれ?、壊れないでくれよ」

「まあ、好いてくれるのは嬉しいけどな・・・大嫌いって言わたら始まんない

からな・・・」


つづく。


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