第3話 会話の食い違い
「はぁ!?お前……確かにしただろ陽菜と晋也と俺で『時の祠』に入って!!」
「どうしたんだ直也?俺は『時の祠』なんかこの学校に二十年前からねーぞ?それに気絶もしてねーよ。昨日はずっと家で寝てたからな」
「龍二、今日は何曜日だ……?」
「水曜日に決まってんじゃねーか」
龍二が答えた。
「す……水曜日だと!?」
「そうだよ。それに今日の水曜日の夜にみんなでラーメン屋に行く予定だろ?」
「俺どこまで話したっけ……」
「ラーメン屋に行く話だろ。今日の水曜日の夜に行くからよ。校門前に集合な」
そう言って龍二は教室から去っていった。
「はぁ……なんだってんだよ」
俺は頭を抱え混乱していた。何が起きているのか理解できていなかった。一体何が起きているんだ?昨日が水曜日だったはずなのに………今日も水曜日だと?
龍二はバカだが人を騙すような奴ではない……ってことは同じ日がループしてんのか!?
それに『時の祠』がない!?
俺の記憶は混乱し、何が真実で幻想なのか区別がつかなくなり始めていた。
頭の中で考える間、
自分が何かを見逃しているのではないかという感覚が湧き上がってきた。もしかしたら、俺が経験している現象に関する何か重要な手がかりが、友人たちや過去の出来事に隠されているのかもしれない。
俺は決断し、友人たちに直接会って話を聞くことを決めた。彼らが持っている情報や記憶が、俺の現在の状況を明らかにする手がかりになるかもしれないと感じた。
「まぁ暇だったったし。ラーメン屋行くか」
二日目の水曜日
俺と龍二と陽奈と晋也は校門前に待ち合わた。
「近くに美味いラーメン屋があるとか言ってたが……」
「ああ、それなんだがな。学校の近所にあるらしい」
俺はラーメン屋の前で晋也と龍二と陽菜に声をかける。
「いい雰囲気の店だな」
確かにラーメン屋としては雰囲気のある店だ。
「とにかく入ろうぜ」
龍二がラーメン屋の中にズカズカと中に入って行き、俺はその後に続いて入って行った。
「そんな急ぐなって、ラーメンは逃げねーよ」
俺達はラーメン屋の中に入り、店内を見渡すと落ち着いた店内にはカウンター席やテーブル席が配置されていてラーメンを食べる客で賑わっていた。
俺達は空いているテーブルに向かって歩いて行った。
「ここのラーメン屋が『時の祠』なのかもな……」
俺がそう言うと、
晋也と龍二と陽菜は不思議な顔をした。
「ははっ……何だよ変な冗談はよせよ。あれは二十年前になくなってるって」
晋也の言葉に俺は一瞬氷ついた。
「でも俺達は確かに『時の祠』に行ったはずだ!あの水曜日の夜に!!」
「そんなことありえないだろ?『時の祠』は本当に二十年前になくなってるし、存在するわけねーだろ?夢でも見てたんじゃねーのか」
「なぜかはっきり覚えているんだ。それに今日も水曜日で、同じことが繰り返されているように感じるんだ。」
「冗談だろう?こんなことが本当にあるわけない」
晋也はまだ信じられない様子だった。
しかし、俺の心の中には、何かが違うという確信があった。
この奇妙な現象には何か大きな意味があるのではないかと感じていた。
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