柵
山の中を歩いていたら柵の前まで来ていた。
柵は私と同じような背丈で、私は柵を越えたことがない。
「ねぇ、カタクリ」
「どうした」
「カタクリは知ってる?私の両親のこと」
「さぁ、、、」
想像した答えだった。
「知りたいか?」
次に発せられた言葉は予想も出来なかった。
ずっと私といたカタクリは私の両親のことを知っていると言うのだ。何故だか分からないけど、これは嘘や悪戯なんかじゃない。でも、あの男性が頭から離れない。
「知らなくても良いことが沢山ある」
また、何度その台詞を聞いただろうか。カタクリは外の世界のことや両親について話してくれない。多分、彼は私よりも沢山知っている。ただ、カタクリが私自身について教えてくれたのは「アンズが生まれたのはこの社なんだよ」と小さい頃に話してくれたことだけだった。
一体、カタクリは何から私を守っているの?
でも、願わくばこの幸せが長く続きますように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます