タクシーワンメーターが黒歴史

逢坂 純(おうさかあつし)

大学時代、試験に遅れそうになった僕がとった行動は・・・?

大学生の頃、凄く生意気で捻くれていたように思います。そんな大学生活の黒い一ページを今日はご紹介いたしたいと思います。

親からの仕送りとアルバイトのお金で、当時は随分、贅沢な一人暮らしを満喫していたのかも知れません。というか、お金の有難みを全く分かっていなかった大学生でした。大学からは自転車で10分とかからない場所にあり、いつもは自転車とバスで大学に通っていました。

その日は、前日のバイト疲れで朝の一限に必須科目の試験のある授業に間に合わないという緊急事態が起こりました。そこで僕は何をしたかと言うと、ワンメーターで到着するような場所にタクシーを呼んで行ったのです。

バブルではありませんでした。もう僕が大学生の頃にはバブルなど弾けていたように感じます。それだけれども、親の仕送りとアルバイト代のお陰で、お金に余裕があったのも、確かなことだったのです。

駅にはバスで30分位の立地のアパートに住み、家賃32,000円と、母親が出費を少しでも抑えようとして、築何十年もする畳の部屋のアパートを用意してくれたのにも関わらず、僕はそんな母の期待を裏切り、毎日デリバリーのピザを頼み、毎日、先輩と飲み歩き食べ歩き、最悪な学生生活を送っていました。その結果が、僕の脳みそを麻痺させたタクシーワンメーター事件なのです。呼びつけたタクシーの運転手は、僕みたいな小僧がたったワンメーターの距離でタクシーを呼びつけたことを、不愉快に思っていたのでしょうね。それもこれも、大学生活を親もとから離れて、一人暮らしがしたいと安易に思っての行動が招いた結果だったのでしょう。僕の大学生活には、そんな世の中のことなんて何も分かっていないクソ生意気なガキの部分がいくらでもあったように思います。時間が巻き戻せるならどの頃に戻りたい?とよく人は言いますが、僕の過去は黒歴史しかないので、もうあの頃をやり直すことなど、ご免被りたいです。今の僕はそんな過去の反省を持って生きられているのです。その反省が今の僕を作っているのだと思うし、未来の自分をも作っていくのでしょう。

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タクシーワンメーターが黒歴史 逢坂 純(おうさかあつし) @ousaka0808

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