6-5、

 三人組が放置した遮光器土偶メカは、彰善があれこれと調査研究を行った後、農村の役場前に運び展示された。左足のみ爆発にて欠損し、まさに東北亀ヶ岡の遮光器土偶そのままである。

 これを、“タマキンのブラブラ日本男児Ch.”にて事の顛末と共に公表したところ、たちまち大勢の見物客が押しかけて大いに賑わった。村の歴史始まって以来の大盛況だ、という。

 土偶メカの傍らには屋台が幾つか立ち並び、土偶まんじゅうと土偶焼酎が飛ぶように売れた。駅でも、土偶弁当を売り出そうかと検討中らしい。土偶しいたけのみ全然売れず、すべて近所の道の駅の、特産品売り場へ持ち込んだ。それでも売れなければ、草加◯会員が何とかしてくれるに違いない。

 縄文文書もんじょを収めた土器は、暫く後に、金作が某所へと隠した。

動画でもその旨公表したため、連中も今更強奪しに来ることはないだろう。一連の騒動は、ひとまず解決かと思われた。

 なお、件のブツについては、

 ――“縄文文書もんじょ”じゃ発音しにくい。

 という苦情が多数あり、皆、いつしか、

 ――タマキン文書もんじょ

 と呼ぶようになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る