W3 ハイドロシティ

モコローとサライが逃げ続け、辿り着いた場所は、街と排水溝が融合した国。


パイプで構成された地面2割と海の面積8割という、なんとも水に囲まれた場所だ。



「水没しないでよサライ?」


「君こそ落ちるなよ?」



ブーーーンブンブーン


2人の目の前に、巨大なハエたちが現れた。

どうやら2人を獲物と認識しており、襲おうとしているらしい。



↓モコロー

「フライか…こいつらは確か排気ガスに弱いんだ。

サライ、排気ガスとか出せる?」


「僕こう見えても歩行器なんだが?」

「でも機械とか いっぱい詰まってるでしょ」


「それはそうだけど、博士は排気ガスを減らす取り組みをしていてね、僕から出る排気ガスを内部で酸素に変える仕組みを作ったんだ」


「えぇ…都合が良いのか悪いのか……でもそれだと身を守れないじゃん」


「歩行器で戦闘すると思うなよガキが」

「ごめん」



フライというハエたちが2人が会話しているため空気を読んで襲わなかったが、さすがに痺れを切らしたようだ。


ブーンッッ



「!…」


モコローが指で鉄砲を模り、フライたちに向かって撃つ。


「バキューン!」


「は何ふざけてんの?」





するとモコローの体色が青く染まり、背中から羽が生えてきた!


フライたちは一瞬驚いたが、すぐに状況を理解し、突撃をやめて辺りを不規則に飛び始める。


「ほう、それが君の能力かい」

↑サライ


「そう!」



モコローは羽を動かし、空を飛ぶ!!


そして近くのフライに体当たりした。



ダンッ


「ブッ」


ぶつかられたフライは水に落ちていく。

それを見て周りのフライたちは激怒した。


「(走れフライ!!)」


フライのリーダーが周りのフライたちに叫ぶ!

しかし周りのフライたちは特に何もしなかった。

そして その内の1匹がリーダーに聞く。


「(あ?なんて言った?)」


「(聞こえないか⁉︎走るように飛べフライ共!)」


「(だから、お前 何言ってんのって話)」


「(お前こそ何言ってんだ おい。飛べよ!)」


「(リーダー、俺…あんたの言っている言語が理解できない)」


「(おいはよ飛べって!)」



どうやら このフライたちは地方から来たフライばかりらしく、お互いの喋っている言語が わからないようだ。

同じフライ語なのに、生息地によって使い方が違うのか。


「(隊長こいつ、論理的思考を持ち合わせてない。従うのやめよ)」

↑フライA


「(おいリーダー、俺らは何言ってんだと聞いているんだ。答えてくれ)」

↑フライB


「(あ?クッキー食べたい?勝手にしr)」

↑リーダー


ブシャァァァァァァァ



突然 海からピラニーという魚が跳んできて、リーダーを咥えながら水中へ戻っていった。


「「「「(あ)」」」」



「なんかピラニアに捕食されたけど…」

「なら良いだろ」


モコローは元の姿に戻り、サライに乗り込む。


そして そのまま走り去ってしまった。


「(お、お前がリーダーの言語を理解できないからだ!)」

↑フライC


「(お前の嫁 寝取るって言った?喧嘩売ってんのか貴様)」

↑フライD


「(腹減った)」

↑フライE

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