アイテム:めがねを拾った。

三雲貴生

一話完結

 前作「ダンジョン教室」のちゆで考えてみた。

 アイテム:ダンジョン内の暗闇で見えるめがね。


注)ネタバレになるので「私の手をはなさないで」→「ダンジョン教室」→「アイテム:めがねを拾った」の順番に読んでくださいね。


(今回は、ちゆが主人公です)


『レアアイテムがドロップしました』


 とりあえず12話のステータス画面の通りである。

 なので、このレアアイテムが何なのか? うちは知ってる。


「ちゆ、アイテムのステータス画面見えてるよね?」


 うちの能力をほぼほぼ知っている魔女のマフラが聞いてきた。


「めがね」


「めがね?」


「装着すると暗闇が昼間のように明るく見える『暗視効果レベル1』や」


「ま、こう言うアイテムは、みんなで一度付けてもろてから、誰が使うか決めよか?」


 まずは、うちらチームの斥候。女剣士のダガーちゃん。ちっこいのに、かわええ、うちらのアイドルや。コレは期待出来るで──。


『ダガーが装備した』


 拾った時は黒縁めがねやったのに、装着と同時にゴーグル型に変化してもうた。


 ショートカットに赤い髪。スポーティな髪型やからか? めがねがスポーティなゴーグルになってしもた。


 しばらくダガーがめがねを付けて戦ってくれた。フローズンバット(冷気を放つコウモリ)が容易く倒された。


「おおー。洞窟の中でも当たらずに自由に動ける。ちゆ! ボクに頂戴っ!」


「……次はマフラ」


『マフラが装備した』


 マフラは黒髪ロングの魔法使いや、いつもはマフラーしてて、うちら仲間内だけしか知らんけど……。


 めがねを装着すると「おお、なんと! 黒縁めがねのままや!」


 コレは、めがねの装着者はマフラに決定や。


「魔法使う時、ちょっとだけ、ちょつとでええから、マフラー外して、お願い?」


「や! 寒い!」


 うちの渾身のお願いも聞いてくれへん。仕方ないな──。


『ちゆが装備した』


 うちが装着しても、なんも嬉しあらへんわ。試しに、うちがめがねを掛けると……。     

 ベッコウの和風めがねになったわ。


「わ──かわいい」

「かわいわね?」


 みんなが絶賛するので、うちが装着する事になってしもた。


「たまにヒール」


「ありがとう、ちゆ」


「きままにヒール」


「ちゆ、かわいいぞ!」


 仲間からお礼を言われる回数が何故か増えた。


「まあ、これはこれでエエか?」


 おしまい

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アイテム:めがねを拾った。 三雲貴生 @mikumotakao

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