伝説の宝物を探して

わたくし

何処かに有るという……

『伝説の鳥』に会えなかった冒険者のオレは、次の冒険を始める。

 次の冒険は伝説の宝物『∞』インフィニティの発見だ!

 別名『神の目』とも言われている。


 いにしえの戯曲家「ヒール・ハンドマウンド」の書き残した伝説によると、

『∞』インフィニティは知力の象徴である】

『∞』インフィニティを使うと全ての物事が鮮明に分かる】

『∞』インフィニティを使うと遠くの物や近くの物が見える様になる】

『∞』インフィニティを使うと光の魔法や砂嵐の魔法にも耐えられる】

『∞』インフィニティを使うと別の人物に成る事ができる】

『∞』インフィニティを女性が使うと意中の男性を虜にできる】

と書いてあった。


 オレは世界中から『∞』インフィニティの資料を集め分析をした。

 そして『ローガン峡』という渓谷の滝の中にあると分かった。

 早速、オレは『ローガン峡』へ向かった。

 滝の前に立ち、古文書に書いてあった呪文を唱える。


「メガネコ、メガネコ、モエモエ、スガーオ!」


 すると、滝の水が二股に別れ中から洞窟が現われた。

 中に入って進むと、『∞』インフィニティの紋章が入った宝箱があった!

 箱を開くと中には、薄い水晶がはめ込まれた丸い縁取りが二つ、それを短い棒で繋いで両端には紐がついた物があった。


「コレが『∞』インフィニティか」

「仮面舞踏会で使うマスクみたいだな」

「紐を耳にかけて、目にあてて使うようだな」

 オレは目を瞑り『∞』インフィニティを目にあてる。


 目を開くと、目の前の世界が全て歪んで見え始めた!

 輪郭が二重になり、ぼやけて何が何だか分からなくなった!

 目がグルグル回り、立つ事が不可能になった!


 オレは慌てて『∞』インフィニティを目から外す。

 歪んだ世界は元に戻り、輪郭もハッキリ分かるようになった。

「どうやらオレには、『∞』インフィニティを使う資格が無いようだな」

「それなら、資格を持った人の為に『∞』インフィニティはこのままにしておこう!」

 オレは『∞』インフィニティを宝箱に入れ、宝箱を元の位置へ戻した。


 洞窟を戻り出口の滝を出た瞬間に、オレはある事に気が付いた。

「しまった! 伝説の最後の文章が本当なら……」

「行かず後家のメガ姉めがねぇさんに『∞』インフィニティをプレゼントすれば良かった!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

伝説の宝物を探して わたくし @watakushi-bun

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ