6話 魔王城へ入城

「あれが、魔王城ね…」


ついに、俺達は魔王城の前までたどり着いた。

巨大な黒い城は、それはもうとてつもない邪悪なオーラを放っていた。


「ケンタ、ここからは危険よ。もし何かあったら、すぐに逃げるのよ」


「でも、ママを一人で行かせるなんて…」


「お願い、ケンタ。私はあなたを失いたくないの」


ママは真剣な眼差しで言う。

その瞳には、母性に溢れた深い愛情が宿っていた。


「…わかったよ、ママ。でも、約束して。絶対に無事で帰ってきてね」


「ええ、もちろん。私の息子の為なら、負けるわけにはいかないもの」


そう言って、ママは魔王城へと足を踏み入れた。

俺はただ祈る想いで、その背中を見守るしかなかった。


―――

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