4話 魔王復活~異世界の危機~

ある日、いつものように街を散策していた俺とママ。しかし、街の様子がいつもと違うことに気づいた。


「ママ、みんな慌ただしい感じだね。何かあったのかな?」


「ええ、何やら騒がしいわ。王宮の方角から、人々が駆けてくるようね」


そう言って、ママが眉をひそめる。


そこへ、あたふたと走ってくる一人の男が目に入った。


「大変だ! 魔王が復活したぞ! 我々はどうなるんだ!?」


魔王、だと…?


俺とママは顔を見合わせた。


高貴な鎧に身を包んだ国王からの使者が、叫びながら俺達、いや、ママを探していた。


「リエ様! リエ様はどちらにいらっしゃいますか!?」


使者は街中で、ママの名前を叫んでいる。その声は切羽詰まっていて、恐怖に震えているようだった。


ママは静かに使者に近づくと、その肩に手を置いた。


「私がリエです。何かございましたか?」


「リエ様! 魔王が復活し、世界は危機に瀕しております! どうか、あなた様の力を貸してください!」


使者は必死に頼み込む。その瞳には、恐怖と絶望、そして僅かな希望が宿っていた。


リエは黙って話を聞いていたが、やがて静かに告げた。


「わかりました。私が魔王を倒します」


その言葉に、使者は安堵の表情を浮かべる。


「ありがとうございます、リエ様! 我らが王国は、あなたに全てを委ねます!」


そう告げると、使者は一礼して立ち去っていった。


リエは当然、立ち向かう決意を固めた。国王から託された使命だった。


「ママ…」


俺は不安そうにママを見る。ママは強い。でも、魔王となれば話は別だ。


「ケンタ、心配しないで。ママは必ず魔王を倒して戻ってくるわ」


「…うん。ママを信じてる。でも、俺も一緒に行く!」


「ケンタ…。わかったわ。怪我…しないでね?」


ママは優しく微笑むと、俺の頭を撫でてくれた。


こうして、俺達の魔王討伐の旅が始まった。


街を出発する時、沢山の人々が見送ってくれた。


「リエ様、頼みましたぞ!」


「ケンタ様、リエ様をよろしくお願いします!」


「聖母様、どうかお気をつけて!」


人々の応援の声に背中を押され、俺達は魔王城へと向かうのだった。


―――

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