2話 ママとのショッピング

俺は異世界でも相変わらずのダラダラ生活。ママに甘やかされ、怠惰な日々を送っていた。


「ケンタ、ご飯よ~」


ママの呼ぶ声が階下から聞こえる。俺は慌てて返事をする。


「は、はーい!今行くー!」


リビングに向かうと、そこには豪華な料理の数々が並んでいた。異世界の食材を使った、ママの特製料理。どれも美味で、幸せな気分になる。


「ママ、今日もご飯最高!」


「ふふ、ケンタが喜んでくれて嬉しいわ」


ママはいつも優しい微笑みを浮かべ、俺の箸の動きを見守ってくれている。


いつもママが作ってくれる美味しい料理を食べ、満足なに眠りにつく。異世界での生活は、地球での生活となんら変わりはなかった。


そんな日々を送る中、ママに連れられて街に出かけることもあった。


俺達が暮らす街は、まるで中世ヨーロッパのような景観だった。


石畳の道が延々と続き、木組みの家が立ち並ぶ。どの建物も尖塔屋根で、まるでおとぎ話に出てくるような可愛らしさだ。


「ママ、今日はどこ行くの?」


俺はママの手を握りながら、そう尋ねた。


「ふふ、ママのお洋服を選んで貰おうかと思って。ほら、あそこのお店」


ママが指差した先には、大きな服屋があった。


店内に入ると、そこは異世界とは思えないほどオシャレな空間だった。


カラフルな服が所狭しと並べられ、店員さんが愛想良く出迎えてくれる。


「リエ様、いらっしゃいませ! 今日は息子さんとご一緒なんですね」


「ええ、息子に新しい服を選んで貰おうかと思って」


ママに言われ、俺は店内をキョロキョロ。


そして、一際目立つ服を見つけた。


「ママ、このドレスなんてどう?」


俺が指差したのは、純白のドレス。キメ細やかな素材は、まるで女神のような出で立ちだ。


「ねえケンタ、私に似合ってるかな?」


ママに着せたドレスは、この世界の最新ファッション。異世界の絹で作られたドレスは、ママの美しさを更に際立たせる。


「う、うん…ママ、めっちゃ綺麗だよ…」


思わず見惚れてしまう。ママの美しさは異世界でも健在だ。


「ふふ、ケンタに褒められると嬉しいわ。私もケンタに似合う服を選んであげる」


そう言ってママが選んでくれた服を着る。鏡の前で親子揃って並ぶ。


「似合ってるわよ、ケンタ。ほら、微笑んで」


ママに言われ、照れくさそうに微笑む俺。鏡の中の親子は、この上なく幸せそうだった。


…ママは俺の為なら、何だってしてくれる。服を選び、美味しい食事を作り、優しく接してくれる。


―――

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