1話 異世界転生!女神の加護でスキルを授かる!

……

……

………

あれ?

目を開けると、そこは見知らぬ場所だった。青々とした草原が広がり、遠くには雄大な山脈が聳えている。空は澄み渡っていて、心地良い風が頬を撫でていく。


「ここは…どこだ?」


辺りを見渡す。見知らぬ景色。見知らぬ自然。

そこにはなんと、ママの姿もあった。

長い黒髪を風になびかせ、優雅に立っている。まるで、絵画の中の女神のようだ。


「マ、ママ!?本当にママなのか…?」


俺は駆け寄り、リエを抱きしめた。まるで夢か幻のようで、信じられない。

こんなに早く、ママに会えるなんて。


「ああ、ケンタ…よく来てくれたわね」


リエも俺を強く抱きしめ返してくれる。その温もりに、俺は思わず涙が溢れた。


「ママ、ママ…!もう、離れたりしないでくれよな…」


「ああ、もう大丈夫よ。ずっと一緒だからね」


ママの優しい声と温もりに包まれ、俺は安堵の息をつく。


「でもママ、ここはどこなんだ?俺達、本当に死んじゃったのか…?」


俺が不安そうに尋ねると、ママははっと何かに気づいたように言った。


「ああ、そうだったわね。ケンタ、よく聞いて。ここは異世界なの」


「…は?」


異世界って、何だそりゃ。普通に驚くしかない。


「私達、転生したみたいなの。で、ママね、転生した時に女神様から力を授かったのよ」


「力…?」


「ええ。ほら、見てごらんなさい。ステータスオープン!」


ママが叫ぶと、俺の目の前に、謎の画面が浮かび上がる。そこにはママの能力値やスキルが記されていた。


「こ、これは…」


俺は目を疑った。そのステータスの桁数がおかしい。レベルなんて概念があるのかよ、異世界。

そしてスキル欄には『女神の聖加護』と輝かしい文字が。


これは本物の異世界だ。もはや信じるしかない。


ママは、女神から『女神の聖加護』という最強のスキルを授かっていたのだ。


「女神の聖加護」 レア度:SSS+

女神に絶対的な母性を認められた者にのみ付与される絶対最強スキル。

女神と同等の強さを手に入れる事ができる。


女神の聖防御:スキル保有者を傷つけることは誰にもできない。物理攻撃、魔法攻撃、あらゆるダメージを無効化する。

女神の聖治癒:スキル保有者と周囲の味方の傷を瞬時に治癒できる。

女神の聖強化:スキル保有者の身体能力は常人の数十倍にまで上昇する。力、速度、反応速度、全てが桁違いに強化される。

女神の聖知識:スキル保有者に女神の知識が流れ込み、あらゆる状況で最適な判断ができる。魔法や武器の扱いにも長ける。

女神の聖感知:スキル保有者の周囲の敵の位置や数、能力を感知できる。奇襲を受けることがない。


「ふふ、どう?ママはすごいでしょ?」


得意げに言うリエ。いや、本当にすごいよ。なんだそれ、羨ましすぎる。


「…ってことは、俺にもスキルがあるのかな」


「どれどれ…ああ、ケンタにもあるわよ。『マザコンの極み』ね」


はい?

なんか、とんでもなくやべえスキル名じゃないですかね。


「待て待て!」

「俺、スキル貰った時の記憶さえ無いんですけどっ!?」


俺は混乱しながらも、自分のステータスを確認する。


「マザコンの極み」 レア度:SS

女神にマザコンを認められた者にのみ付与されるスキル。

レアではある、レアではあるが…。


マザコンの執着:母のことを常に考えている。母以外のことには興味を示さない。

マザコンの世話:料理、洗濯、掃除など、母の日常のスキルを分けて貰える。

マザコンの防御:母から防御力を分けて貰える。


予想以上の、マザコン特化スキルだった。俺は頭を抱えた。

まぁ、俺は重度のマザコンという自覚はある。否定のしようがない。

母さんと一緒ならどんなスキルでも構わないさ。幸せに暮らせればそれでいい。


女神だけは、許さねぇけどな!


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