第十五話 秘技、三位一体配信
「なあ
「
「ねえー! ヒメのこと置いてけぼりにするの、やめてくれない!?」
セツナが
受け取った武蔵はパラパラと一瞬見た後、表紙を確認しニヤリと
『宮本武蔵ノ五輪書』
白衣の少女である
そしてセツナは、自身の記憶を頼りに異界の国でも宮本武蔵の素晴らしさを
「イチかバチの話も知ってんぜ、当然だ。続きはお前が書いてくれ、〝本物〟には俺も
「
「ねーえー! 二人ともー! 配信どうするのー!?」
武蔵とセツナはバツが悪そうな顔をした。
バツが悪い、これもまた「気まずい」「照れくさい」というニュアンスを後世に伝える
「悪いな、で……結局はお前ら二人次第だ。侍、エルフ、イケるか?」
「どれ、読ませてもらおう」
「あ、これヒメが一回ボツにしたやつに似てる-!」
三人は手早く構成に目を通し、そして武蔵は立ち上がり右腕を上げ……天に人差し指を向けた。
「きっと、ウケるノルそして……イチだ。拙者はそう、信じておる」
「なるほど、
「問題ねえ。俺は……
チャンネルムサシは
*
「む、
「ヒメで〜す!
『
三人が配信するように、
「時間をかけず
武蔵は高く舞い、振り子めいた動きを続ける
『良い! じゃないのだ、普通はできるわけないのだ』
三人はあえて、同じような罠部屋へ再度突入する。
「高く飛べなくてもほら、少しずつでも魔法や弓で
宣言通り、ヒメもまた天井の罠を破壊。
配信に乗せる前に
『これならボクでもできるのだ。今みたいな時は多分、広範囲の術式よりも一点集中の攻撃がいいのだ』
*
「
「ヒメ泳げないし、しかも見て!
『実際の
「時間をかけず対岸へ到達するにはどうするか、答えは自明……走って渡れば良い!」
武蔵は水面を渡り右足が
『良い! じゃないのだ、普通はそのまま沈むのだ』
残されたヒメは落ち着きはらっている。
そして、
「ヒメも足元が怖いけどね、
ヒメは
『ボクも安心して渡れるのだ。初級の
*
セツナが短時間で必死に考えた工夫、それはまず〝らしさ〟を
プライベートや仲間に対しては
時に多くの
バカじゃねえか俺らには出来ねえよ武蔵いい加減にしろ、と
対するヒメは
そしてヒメ本来の
セツナはただ
実際、そういう
「増えておるな、
「ヒメもいま〜す! そろそろ
『次の部屋に行ってもまた同じ流れになりそうな気がするのだ。ボクはもう
三者三様の良さを必死に引き出したセツナの、もう一つの策はデメリット覚悟のワンパターン作戦である。
これは〝豆餅〟がわざとらしく語るように「またか」「もう知ってる」と
しかしながら開幕で武蔵が人間離れした技を
ダメ押しに〝豆餅〟が豊富な知識に
まさに、三位一体。
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